入船橋、築地橋にほど近い築地の裏通り。
銀座キャピタル本館脇の頭上に、「おでん」と掲げる看板が見つかります。
夕方五時過ぎにすっと暖簾の掛かる、そんな小料理屋さんなのだろうなぁと思いながら近ずくと、スタンド看板に「らんちメニュー」と書かれた黒板
が提がっている。
おでんでご飯ってなんとなく違う気もするものの、暑くなる前にいただいてみようかな、そんな気持ちも働いて、引き戸に指を掛けました。
「いらっしゃーぃ」。
並んで呼応するように迎えてくれたのは、店主と女将さんか。
誰にでも、もしや親子では?と思わせる光景です。
L字のカウンターの角近くに八つに区切ったおでん鍋が置かれ、
静かに湯気を立てています。
おでん鍋の出汁色は澄んだ褐色。
背後に用意した鍋からも取り分けたお皿が盆にのってやってきました。
「おでん定食」のお皿にのるは、はんぺんに大根に糸こんにゃくに竹輪に玉子、ロールキャベツ。
巾着は餅入りだ。
醤油の強い仕立てではなくて、あっさりゆるりと出汁が滲みたおでんたち。
これに茶飯という組み合わせが、やっぱり嬉しいな。
醤油色濃い派の日本橋「お多幸」の「とう飯」でも、茶飯に豆腐おでんをON!
それが白メシだったら、ちょっとニュワンスの違うものになりそうだものね。
店頭の黒板で気になってた「牛もつ定食」目当てで再訪してみる。
おでんのあっさり仕立てからは、一転して牛モツは八丁味噌仕様。
ただ、クドサを感じさせないままご飯を貪り食べさせるような具合に仕立ててる。
しゃくっとした歯触りからモツの滋味がしっかと伝わります。
プリン体の心配のない貴兄には、こちらも検討対象に是非。
後半はオススメに従って、汁ごとぶっかけてかっこんじゃいました(あは)。
おでん「はやま」の「はやま」は、早山サン。
女将さんは嘗て、銀座二丁目の割烹「はや満」の女将であったらしい。
季節が巡り、冷え込んできた頃に再び訪れたい。
ぬる澗じゃなくて、キンと熱燗がイメージです。
口関連記事:
おでん「お多幸」本店で 掻き込むとうめし定食呑ん兵衛の発想(05年01月)
「はやま」 中央区築地2-2-11 03-3543-3030
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