この2月に、慶應通りエリアの路地に新規オープンしたという「むらさき山」。
データバンクでとらさんな御大によると、
和歌山ラーメンの大井町「のりや」、金沢文庫「うめや」での経験を経て独立を果たしたお店だという。
どちらかというと未訪の「うめや」に近いとあるけど、「のりや」は好みの系統のひとつなので、なんだか期待しちゃうのであります。
凛と白い暖簾を払うとすぐに券売機。
その先のカウンターもすっきりとした印象で、和歌山ラーメン系にありがちなベトベト感はなく、それは今後も維持されそうな予感がします。
お品書きは「中華そば」「つけめん」の大きくは二本立て。
店の名を冠したと思わせる中華そばの「紫そば」を「のり増し」でお願いしました。
「むさらきそば」と呼ばずに、「ゆかりそば」って読ませるンだそう。
加減のいい厚さのチャーシューが3枚を広げ、味玉が寄り添うドンブリ。
それらが浸るスープは、衒いなく白濁しつつ醤油の色味もしっかり。そして魚出汁の風味がきりりと利いていて、その濃厚加減も含めてとっても好きなバランスになっている。いいね~。
嘗ての「のりや」で印象に残る獣臭的なクセや脂の強さは洗練させつつ、魚介系エキスを上手に取り込めている感じだ。
ちょっと懐かしい手管でもあるけど、浮かべた焦がし葱が気の利いた風味を添えてくれている。
そのスープと和歌山系を思わせる細ストレート麺が見事にマッチ。
旨味をたっぷり閉じ込めた、噛み応えのあるチャーシューも嬉しいぞ。
三田の路地の暖簾、「むらさき山」。
店名の「むらさき山」は、店主のお名前柴山を「むらさきやま」と間違える人があって、それを逆手にとったものらしい、と御大。
今度は、「つけめん」啜りにお邪魔しよー。
「むらさき山」 港区芝5-23-8 03-3455-8966
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