column/02403
名代そば「深大寺そば」で かき揚げそば
ご無沙汰のもんぜき通り。今日は、その前を通る度に天麩羅を揚げる香りが遣る瀬ない「深大寺そば」に寄ってみました。ステンレスのバットに山盛りの天麩羅を見つめながら丸椅子に腰掛けて、さて、どっしよっかなぁと思案。右壁に掲げられた品書きでは「かき揚げ」が赤字で強調されています。うん。「かき揚げそば」をナス天+玉子トッピングでいただきましょう。目の前では、オバチャンがさらにどんどんと揚げてゆく。こうやって回転しているってことは、時間が経って酸化しちゃった天麩羅に当たることが少ないってことだよね、なんて思うも間もなく、どんぶりが渡されました。天麩羅てんこ盛りで、およそ麺が見えない。掻き分けるようにして、麺を引っ張りだして啜る。ふ~む。仕込みの鮮度を感じるすっきりとした出汁のつゆ。そして、柔めなもののダラシナイ印象のない、シャっとしたそば。駅スタンドと比べるのは申し訳ない、かな。原則天麩羅はパリッと食べたいところだけど、こうしてあま汁にひたひたして、ちょっと溶けはじめた衣ってこれはこれで妙な魅力があるよね。半熟の玉子の黄身を掬うように麺からませ、ズルズル。露天そば屋も心地いい、秋の日でありました。
「深大寺そば」 中央区築地4-9-11 03-3542-1777