column/02158
魚料理「鈴木水産」
いつもその前を素通りしていた「鈴木水産」の前でふと立ち止まる。まだ空いているようだし、お初にお邪魔してみようかな。カウンターに置かれた「真鯛頭煮魚」や「かんぱちかま煮」のラップ皿を眺め、それもいいかと思いつつ、壁に下った品札をチェック。お刺身系どんぶりは避けたいので、と考えると「お刺身定食」か「煮魚定食」「焼魚定食」か。あ、「生うに定食」がいいね。「うに丼」でないところが肝要であります。すっと運ばれたお盆には木箱にこんもりと載せられた雲丹。場外の店先で目に留める木箱の1/3程度の大きさの木箱は、特別に拵えたものなのかな。でも一膳のご飯をいただくには十分な量だね。多少色合いが濁ってしまっているし、溶け崩れかけてはいますが、なにせ1,000円だもんね。お箸で掬うと、やっぱりちょっぴりねばつく感じはあるものの、お醤油ちょんヅケして口に含めば、うん、ウニウニ(笑)。ムラサキウニでしょうか。特にミョウバン臭いこともなく、雲丹の甘い風味にご飯が進みます。普通のどんぶりメシかと思って食べていたご飯から酢の酸味が微かにする。どっちつかずの微妙な酢飯なのね。帰り際、店先に置かれた手書きの品書きを改めて見ると、「生うに定食」の“生”の部分が貼紙で消されている。わざわざ隠しているってどゆことだろう。少なくとも焼き雲丹ではないし、う~ん、瞬間冷凍モノってことなのでしょうか。
「鈴木水産」 中央区築地4丁目11番2号 03-3541-7860