column/01817
Oyster「楸」
こちらで牡蠣料理をいただこうと、そんな機会を窺ううちに冬の牡蠣の旬が終わってしまっていました。牡蠣がないわけではないけれど、牡蠣!という気分になれず、ランチタイムのスペシャリテらしいカレーのラインナップから黒板の「ローストビーフ焼きあがりました」というフレーズに惹かれるように「ローストビーフカレー」を選んでみました。こんもりと盛られたライスの上に蕩ける寸前の飴色玉葱、そしてその上を覆うようにローストビーフが載せられ、さらにその上から黒褐色のルーとクリームが回しかけられています。黒板に激辛という風に謳われているので、見た目以上に辛いのだろうなと恐る恐るスプーンを口に運ぶ。ん、カラクナイ。というか、ちょうどいい辛さだ。残念なのは、それ単独で食べたらイケルであろうローストビーフが、カレーのこっくりとした味わいの中にあると、どこか水っぽいような馴染まない食感になってしまうところ。ん~、「豚角煮トロトロカレー」だったらベストマッチだったかもね。ライスには紫色に周囲を染める「古代米」と思われる黒米も混ぜられていました。こじんまりとした店内で店主のこだわりがいろいろと楽しめそうな「楸」。来シーズンには再びお邪魔しなければ、と振り返り思うのでありました。
「楸(ひさぎ)」 中央区銀座6-12-16片桐ビルⅡ2F 03-3289-1390
http://www.kaki-hisagi.com/