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塩らーめん「あいうえお」
渋谷での用事を済ませてふと、以前から気になっていた目黒の「あいうえお」に行ってみようと思いつく。目黒駅から行くと遠いよなぁと思案したのがロータリーのバス停の前でした。東急バスに揺られ、山手通りの「田道小学校入口」まで。メグ二郎の並びにある「あいうえお」は、プレハブの手造り感漲る店だ。アルミのドアを開くと途端に眼鏡全面が曇って視界を失う。慌てて眼鏡を外した先にあったのは、ひと懐っこい印象の店主の笑顔でした。ベニアをぶっつけた造りのカウンター右隅の丸椅子へ。一番人気!!とある「雅ポーク叉焼麺」をお願いします。暗がりで見難いけれど、透明感のある塩スープではなく薄口の醤油スープとも思える褐色のスープだ。さっぱり塩ラーメンの弱々しさは微塵もない、旨味と香りが多層的に襲ってくる。「大山鶏」に高品位の鰹節・鯖節を使ったスープに青森産・最高級の「本鴨」の脂でコクを添えているという。そして肝心の塩は、店主が一番に拘っている幻の天然の岩塩なのだという。ラーメン創房「玄」や塩辛くて脂の強すぎたところもあった末広町「山彦」が連想される。はらはらと柔らかい叉焼の「雅ポーク」とは、静岡産の高級もち豚なのだそう。厭な脂のないチャーシューだ。メグ二郎定休日の水曜にのみ提供するという二郎パクリの「三郎」はもとより、登録会員のみが対象の「一郎」「四郎」という限定版があるんです、と店主。今度は 「三郎」で食べ比べも面白いかも~と思っていたら、HPには「閉店します」の文字が…。塩の入手が困難な事態となったためとある。どうにかならんもんかとも思うけれど、それだけ惚れ込んで拘ったものは代えが利かないということなのでしょう(なぜかその後、お店継続中、らしい)。
「あいうえお」 目黒区目黒3-1-11 http://aiueo.nu/