column/01689
焼鳥「鳥善 瀬尾」
「ENOTECA KIORA」並びのビル入口から恐る恐る地階へと進むと、小粋な木戸が向かえてくれました。奥へと長いフロアの右手にカウンターが伸びています。時間の割には最初の客となり、そのカウンターの一番奥に腰を据えました。小さめのビールで喉を湿らせながら、大ぶりの身が嬉しい「とり刺し」や炭火で炙ったバゲットでいただく「白肝のムース」、ビストロでのひと皿のような表情を見せる「鴨の南蛮煮」あたりから。まったくもって臭みのないムースには、赤ワインを合わせたくなるね。一転して芋の「げんち」に切り替えて焼き物を。「つくね」に「かしら」、そして「ちょうちん」に「血肝」「手羽先」「ぼんちり」。それぞれに悪くはないけれど、それぞれに何かが足りないような気もする。お寿司と一緒で、出された瞬間の熱々を口に運ぶようにしないとお店に失礼だね、と少々反省したりして。〆にと「鳥スープかけご飯」。万能葱の浮かんだ、丁寧に煮出した印象のスープとともにご飯を啜る。こういう仕上げも、いいね。
店名に冠した”鳥善”。博多「鳥善」との関係筋なのでしょうか。
「鳥善 瀬尾」 港区麻布十番1-4-2カーサツルオカB1F 03-5574-8881