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洋食「キムラヤ」で ぐずぐずと焦げたハンバーグに往年を思ふ
メルサギンザ2の裏手筋にある、
「キムラヤ」へ寄ってみました。
60周年を迎え、80歳を過ぎた小母様とその娘さんで営む洋食屋さんということなので、しっとりと老舗の味わいのあるお店をイメージして歩みを進めると、読広の前まで来てしまった。
一本筋を間違えたかと思いながら、一応来た路を戻ってみると、その途中にある真新しいビルにそれらしいお店を見つけました。
カフェ風の店内に入って奥の方を覗くと、その店主と思しきおばあさんがいる。
思わず、「いいですか」と訊いてしまう。
あ、はい、あ、いらっしゃいませ。ひとり客にもかかわらず、空いているカウンターではなく、手前のテーブル席へ案内される。
なんでだろ。
「ハンバーグでよろしいですか」。
他にメニューがあるのかも分からないまま、待つことしばし。
そこへ、旧知の間柄らしい4人組がドヤドヤとやって来て、車はどこに置こうだの、誰それは来てないかだのといったやり取りが厨房と続いている。
そのうちそのおばあさんも中からでてきて車の心配をし始めた。
ダイジョウブカナ、ボクノハンバーグ(笑)。
やっとポタージュのカップスープが届き、続いてハンバーグのプレートがやってきました。空かさずナイフを下ろすと、切れる前にグズグズとその身が解れてしまう。
そもそもが薄っぺらだし、おまけに下側は随分と焦げている。うう。
ソースはイケルのでそれを頼りにライスを平らげたところへ、サラダがやってきた。
カレー皿にスイカまでを載せたボリューム感のあるサラダ。
これ、先に出してくれればいいのに。
お冷のお替りをいただいたついでにお皿を下げようとしたおばあさんは手を滑らせて床に大音響を響かせてしまった。
きっと往年は、メリハリの利いたオペレーションと温かい応対で多くのファンの支持を得ていたのでしょうけれど、それが叶わない現状の切なさを直視してしまったような気がします。
「キムラヤ」 中央区銀座2-8-19 Ginza Aビル [Map] 03-3561-0406 [閉店]