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シチリア料理「L’ottocentoロットチェント」で浅草開化楼と掛け算わしわしイタリアン

それは、時間を遡る2016年の秋口の頃。
兜町から鎧橋を渡って日本橋川を越えた辺りに、新機軸の麺料理店が開設されたと漏れ聞きました。
目的地は、ぺんてるビルを右手に見乍ら、鰻「喜代川」の路地を通り過ぎたところ。
蛎殻町の五叉差路を見渡すポジションでもある。
グレー塗装の外壁に黒枠のサッシュを回したモノトーンのファサード。
その前に歩道に向かってウッドデッキが張り出していました。

店先には、開店を祝う沢山の花が並んで華やかな雰囲気。 祝花のカードには、「アクアパッツァ」の日高シェフの名前、
そして、自由が丘「mondo」の店名が見つかります。

当時の店先のパネルには、”L’ottocento×浅草開化楼”と明示。 浅草開化楼のカリスマ製麺師不死鳥カラス氏と、
シェフ樋口敬洋との共同開発によって生まれたパスタ専用小麦粉、
「ファリーナ ダ サローネ」を使用した特製パスタフレスカである、
と解説されていました。

2016年10月 3種類用意されているソースからまずは、
南イタリア風ベッシェラグーを選ぶ。 大盛りでお願いした麺の小山をしばし凝視(笑)。
太さを含めてつけ麺の麺のようではある。
いそいそとフォークの先に絡めて、食む。
なるほど、わしわしっとしたつけ麺的な魅力が、
パスタソースに活かされている感じのする。

2016年10月 裏を返すように訪ねて今度は、アラビアータを特盛で。 辛さほどよく、もちむちっとした麺の魅力をストレートに愉しめる。
特盛を註文するなんて、あの頃はまだ多少若かったな(笑)。

2018年12月 メカジキのトラバネーゼ。 濃度のあるトマトソースが特製麺によく絡む。
たっぷりと載せられたアーモンドの歯触りも面白い。

そうそう、セットとして添えられる自家製パンが、美味い。 当然のように温められていて、
より芳ばしくいただけるのが有難くも嬉しいのです。

2019年06月 午後休のひる過ぎには、
グラスのワインもいただきたい。 イワシの筋肉体操と題したお皿には、
みっしりと噛みしめるイワシトマトソースにターメリックの香り、
と解説されていました。

2021年03月 その名も「春だもん香るお魚のラグー」 だんだんダジャレに走る傾向がみられはじめて、微笑ましい(笑)。
魚粉?と訊ねたら然にあらず、カルダモンなのだそう。

自家製パンと並んでセットされているのが、
その日のドルチェ。 ジェラートだったり、プチケーキだったりいたします。

2021年04月 豚キャベプリマベーラ。 豚のラグーに春キャベツ、ペコリーノチーズに胡椒・バター。
プリマベーラは、”春”ですね。

2021年05月 基本に戻るような気分で、
辛めのアラビアータ中盛り。 やっぱり開化楼だ!と思わせる麺が、何気に凄い。
開店当初と比べると切り歯などなど、
微妙に改良を重ねているような気もします。

蛎殻町の五叉路近くに「L’ottocentoロットチェント」はあった。 「L’ottocentoロットチェント」の店名の由来が、
当時手にしたリーフレットに記載されていました。
L’ottocentoとは、L’800=1,800年代。
1,800年代のイタリアでは沢山の革新的な出来事ことが起き、
それは料理やレストランに纏わることにおいても。
大規模なパスタ工場が誕生し、
レストランではコース料理が生まれた。
イタリア各地方のレシピが体系化され、
お金を払って外食する文化が生まれた。
“貴族の食”と”庶民の食”が融合して生まれた、
イタリア料理の原点をより深く理解し、
現代のものとして表現していきたい、
その想いから店名をL’ottocentoとした、と。

そんな「L’ottocentoロットチェント」ですが、
残念ながら2022年09月、移転閉店してしまいました。
移転先は、丸の内・東京トキアビル。
その名も「byebyeblues TOKYOバイバイブルース トウキョウ」 https://www.byebyeblues.tokyo/
果たして、移転先でも開化楼の麺をいただけるのでしょうか。

「L’ottocento」
中央区日本橋小網町11-9[Map]
03-6231-0831
http://www.lottocento.tokyo/

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