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中華そば「築地 幸軒」で大好物焼豚ふるふるチャーシュー麺築地名物焼売一個二個

築地市場が閉場して、拠り所とも云うべき本丸を失った築地場外市場は、時間を経るにつれ廃れていってしまうのではないか。
そんな風にも危惧していたけれど、どっこい、インバウンド需要の強さによって活況を呈していた。
そして、コロナ禍を耐えた場外市場は、従前にも増して外国人旅行者の割合が如何にも多く、賑わっているように映る。

刺身BAR「河岸頭」のあるマンションを左に、
晴海通りから築地中通りを往く。 築地横町を通り過ぎ、ターレを躱して進むと、
右手上方にオレンジ色の袖看板が見えてくる。
市場の通りで、頭上を気にしてるひとは、
そうそういないかもしれないけれど(^^)。

夕月ビルという雑居ビルの前に立つと、
お茶のお店と海産物店の間に狭い通路がある。 おずおずと中へと進むと、雑然とした中に、
「つきじ 幸軒」と示すスタンド看板が見えてくる。
「らーめん」と書いた黄色い突出看板は今は、
スタンド看板と同じ意匠のものに差し替えられている。

L字のカウンターの中が厨房という造り。 その二辺に丸椅子が並んでいて、
全部で10脚あるかないか。
コーナーの小さな手洗いの上の棚には、
給水器が置かれることになる。

入って右手の壁にお品書きがある。 紅いプレートには”昭和25年創業”とあり、
60年以上変わらぬラーメンとしゅうまいを、
召し上がれ、とある。
昭和25年だと創業75周年も近い。
その脇の品札は、築地名物「しゅうまい」の、
当時の単価を示している。

失礼して厨房の中を覗くと、
真ん中が楕円に擦り減った俎板が見えた。 いいね、使い込んでいる感じが堪りません(^^)。

湯殿から麺を掬うのは勿論、平笊。 職人はそうでなくてはなりませぬ、
なーんて勝手に頼もしく思ったりします。

今を遡る’18年11月の或る日の「チャーシュー麺」。 チャーシューがどんぶりを埋め尽くすように、
そして美しく並べられている光景を、
まずはじっと眺めて堪能しましょう。

麺の黄色味はかんすいのそれか。 口元のツルツルと食感のシコシコの、
バランスのいい中太麺であります。
厨房には、タチバナ製麺所の麺箱が見られ、
それは東上野の製麺所であるらしい。

麺のどんぶりには「しゅうまい」を一個、
添えてもらうのがお約束。 崎陽軒のそれを基準にすれば、
少なくともふた廻りは大きめの焼売であります。
ちょんと付けてくれた芥子がいいね。

チャーシューの脂味ふるふるに見えるのは、
’19年02月の或る日の「チャーシュー麺」。 絹さやの彩りがある光景、好きです(^^)。
改めてスープにひたひたしてから、
フルフルの焼豚に噛り付く。
んあー、色んな美味しさが弾けるであります。

こちら、’19年05月の或る日の「チャーシュー麺」。 トッピングの配置がより几帳面になっているような、
そんな気もして、それ故か立体感が増している。
メンマも絹さやも縦に差し込まれているような、
そんな変化が面白い。

一個添えが定番の「しゅうまい」も時には、
二個くださいと奮発することもある。 芥子醤油ちょん付けで齧る「しゅうまい」。
ミンチの脂と肉々しさは、癖になるクセになる(^^)。

そして、’20年01月の或る日の「チャーシュー麺」。 焼豚の並びが縦方向になる傾向が見て取れる。
60年来変わらぬとするスープは勿論、無化調ではない。
でも、ただただ懐かしい中華スープなんかでもない。
寸胴でしっかりと採った熟練のスープを想います。

「チャーシュー麺」の誘惑に駆られながらも、
「しゅうまいチャーシュー盛合わせライス」の時もある。 もっとも、しゅうまいの魅力も焼豚の旨さも、
そのままお皿の上にちゃんとある。
白飯にもよく似合うのはご想像の通りであります。

ジリジリと陽射し厳しき真夏の或る日には、
「冷やし中華」を所望したい。 刻み海苔がふわっとたっぷりトッピング。
自慢のチャーシューもたっぷりめなのが嬉しいね。

忘れてはいけない「幸軒」の「チャーハン」。 ここでもチャーシューが大活躍。
刻んだチャーシューの断面についた焦げ目。
そこの芳ばしさも旨さの一面なのであります。

朝の部でしか提供しないと聞くメニューがあって、
’24年01月、そのために早起きしての「タンメン」。 当たり前だけど、塩味タンメンにすると、
スープの美味しさがよりよく判る。
炒めた野菜や肉の旨味も、
するっとスープに溶け出しているようです。

まだまだ災害級にクソ暑い、
’24年09月の或る日には「みそラーメン」。 「タンメン」の色違いと云うなかれ(^^)。
汗を掻き掻き、ズルズルーんと完食。
ずっと気になっていた「茶碗カレー」も無事いただけた。
ひゃぁー、満腹満腹、ご馳走さまです。

築地場外市場は築地中通り沿いの夕月ビル一階、
お茶のお店と海産物店の間の狭い通路の奥に、
中華そば「築地 幸軒」は、ある。 築地場外で一番多く足を運んだお店に多分違いない。
ここ何度か、厨房のオヤジさんの姿を目にできていないし、
少しご無沙汰しているうちに、
チャーシュー麺のチャーシューが減った的な記事を読む。
「築地 幸軒」の今を確かめにまた足を運ばねば。
築地六丁目にも同じ名前の中華「幸軒」があるけれど、
少なくとも今現在は関係のない間柄であるようです。

「築地 幸軒」
東京都中央区築地4-10-5 夕月ビル1F [Map]
03-3545-5602

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