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炭火焼き成吉思汗「やまか」で生ラム赤身バラマトン特上肩ロース捉え方の革命的更新

振り返るは、2023年09月初旬のこと。
エスコンフィールドHOKKAIDOでの野球観戦チケット入手を契機にして、お久し振りの札幌にやってきた。
札幌駅からJR千歳線に乗り、新千歳方向へ。
北広島駅からピストン運行の専用バスでボールパークF VILLAGEへ。
眺め遣る新球場は巨大倉庫風の硝子張りで、成る程、既存の野球場とは一線を画す見栄えだ。
球場2階の七つ星横丁にある、ご存じのあの店が出店した「銀座 三州屋」で、
試合開始前に呑む、という目的も達成できた(^^)。

ふたたび千歳線に乗り、
戻って来た札幌での夕餉は、
のむちゃんに教えてもらった店、
炭火焼き成吉思汗「やまか」にて。

北海道でジンギスカンと云えば、
遠い昔にサッポロビール園での一幕にたぶん遡る。
朧げな当時の記憶は、ただただ、
やっぱりラムはラムの癖があるなぁというもの。
久々の、そしてイマドキのジンギスカンは、
果たしてどんなのだろうと、
ワクワクしながらやってきました。

「やまか」の所在地は、
札幌駅前通りからすすきの花小路に入った処。 頭上を見上げれば、
イイ感じに破れ解れた紅い提灯。
並びには有名店にして近くに乱立気味の、
「成吉思汗 だるま」の支店のひとつがある。

白い暖簾の脇には、
家紋たる小さなサインを掲げている。 まさに、山にカナ文字の”カ”で「やまか」だ。

予約の名を告げて、そのまま、
入ってすぐのRを描くカウンターへ。 丸椅子の上には、それぞれ、
前掛けが用意されている。
そして、カウンターの中では、
火鉢の中で炭が熾きている。

「サッポロクラシック」のジョッキとー、
それとー、前回はどうしたかなーと呟いたら、
註文を受けてくれたスタッフさんが、なんと、
あ、判りますよ、履歴とってあるんで、と仰る。
えー、そんなこと初めてで、なんか嬉しい(^^)。
そして、前回訪れたのがちょうど一年前、
去年の同日のことと判明して、
気付いてなくて、これまたびっくりだ。

ご指南の通りに、
ラードをジンギスカン鍋の頂部に載せ、
モヤシ、玉葱、長葱をその周囲へ。 その先に覗く厨房は、活気があって、
キビキビとした動きが悪くない。

まずやってきた肉は、
メニュー筆頭の「盛り合わせ」。 真ん中の生ラムが赤身とバラ肉。
右がラムの特上肩ロースで、
左が二歳以上のマトンの特上肩ロース。
いやー、実に美しく、肌理が整っている。
鮮度の良いことが見た目からも感じられる。

バラ肉以外はレアでも大丈夫と訊き、
ほう、そうなのかーと思いつつ焼き始める。 こんなもんかなと、
さっと鍋から降ろした肉をひと噛みする。
ここから昨年の驚きを反芻する瞬間がやってくる。
あらー、ええー、やっぱ、めっちゃ美味い。
臭みやクセなんか微塵もなく、
クリアな旨味が脳幹に届く(^^)。
いやー、これまた、改めてびっくりだ。

前回もいただいた数量限定品は、
ホワイトボードから「ひつじのユッケ」。 昔なら、どうせそこそこ臭いんでしょ、
なーんて思うところかもしれないけれど、
これもまた一点の濁りなき、
澄んだ美味しさであることを、
オジサンは知っている(^^)。
玉子の黄身との相性や抜群であります。

追加したのはふたたびの「マトン特上肩ロース」。 これってホントにマトン?
なーんて、やっぱり、改めて思ってしまう。
これは、ここ「やまか」の、
仕入れや仕込みが凄いのか、
それとも今なら、サッポロビール園でも、
同じ様なマトンが食べられるのか、
そんなことを考えてしばし腕を組む(^^)。

然らばと、これまたボードメニューの「マトンひれ」。 ロースとは歯応えや旨味の様子が、
違うのが面白い。
でも、これもまたクセなく美味しい。

ボードには、
アイスランド産のラムレバー、
なんてメニューもあるのを見ると、
時間的にも距離の近い地元産ではない、
外国産なのに鮮度がいいものを供している、
そんなことでもあるとすると、
冷凍・解凍技術や搬送環境の整備が、
格段に向上しているのかもなぁと思ったりもする。

プレミアムハイボールなるものを註文すると、
「セッション!」と厨房に注文が通る。 色味は薄いようだけれど、
ピートの風味がやや強めに薫る。
「セッション」とは、ニッカのブランドのひとつ。
敢えてグレーンウイスキーを使わずに、
ニッカの蒸溜所たる余市、宮城峡、
そしてベン・ネヴィスをはじめとする、
スコットランドのモルトだけをブレンドした、
ブレンデッドモルトウイスキー、だそう。
自由な吞み方を提案しているようだけど、
ならばまずは、ちょっと加水で吞む手もあったかも。

そして、これまた昨年もいただいた、
「ラムのパリパリ焼き」を焼く。 両面を割りとしっかり目に焼いて、
手元のタレにラー油を加えたとこへ、ちょん。
絶対に間違いなく熱いので、
ふーふーしてからいただきましょう。
餃子のような潰した焼売のような。
豚肉とは違う脂の過ぎない美味しさがある。
冷凍品が買えるようですよ。

火鉢に熾きている炭を改めてみると、
備長炭などの所謂白炭や黒炭とは様子が違う。 どうやらそれは、
オガ炭と呼ばれるもののようで、
製材時に出るおが屑・のこ屑を、
縮加熱成形して製造するオガライト、
それを主な原料とした木炭であるという。
価格は安価で、火持ちは良いけれど、
やや火ががつきにくいのが欠点であるらしい。

そんな炭を仕込んだ火鉢の上に、
お湯を汲んだアルマイトの鍋が載せられた。 鍋の中では、黄色い麺が浮き沈みする。
タレの器をお出汁で割ってくれる。

「やまか」の〆は、そう「あがりラーメン」。 鍋から温まった麺を引き上げて、
タレの器でつけ麺にする。
かん水の利いた麺を啜って改めて、
ああ、札幌にいるんだなぁと思ったりして(^^)。

札幌駅前通りからすすきの花小路に入った処に、
炭火焼き成吉思汗「やまか」は、ある。 のむちゃん、教えてくれてありがとう。
ジンギスカンが、ラム肉がマトンが、
こんなにクセなく、こんなに美味しいなんて。
お陰様で、ジンギスカンの捉え方が、
革命的にアップデートしてしまいました。
また来年、同じ時期にふたたび、
ここを訪ねるのもいいかもしれません(^^)。

「やまか」
札幌市中央区南6条西4丁目1番地 プラザ6·4ビル1階 [Map]
011-561-3577
http://www.yamaka-satoh.co.jp/yamaka.html

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