目的地は勿論、 “新富ビストロ通り”の起点、「Coulis」。久々にお邪魔する夜の部の「クーリ」前に、OPENを示す黒板が置かれました。
満席前のまだ静かな「クーリ」の店内。まだ明るいテーブルをイメージしていたけれど、 ブラインドが下りていて、夜の気配を先取りしています。
「クーリ」のディナーは、シェフおまかせのスペシャルメニュー。 6月中旬のこの夜の口開きは、 静岡産の桜海老のフリットから。サクーーッと軽やかに芳ばしさが華開く桜海老。 グラスの底には、淡島の新玉葱とパプリカのソースが潜み、 トマトとトレビスのグラニテが色を注す。 トップにはミルクの泡に「クーリ」の軒先で採れたナスタチューム。
続いて、愛媛の鱧の湯引きのお皿。赤いのはやっぱり梅肉のソース?なんて思ってしまうけどそうではなくて、 ビーツと一緒に大根をおろした変則もみじおろし。 仄甘い鱧の身に柔らかな酸味を添えています。
ワインは、少々変り種に走って、「Beau Paysage TSUGANE 2011」のロゼ。TSUGANEというのは、八ヶ岳を望む北斗市の津金の地のことであるらしい。 エレガントな酸味と喩えればよいでしょか。
バーニャカウダと説かれつ受け取った硝子のプレート。中央には衣に包んだ鮎とズッキーニ。 ビーツを用いてソースに赤い色を出すのは、「クーリ」の定番であるようです。
ふたたびの海老のフリットは、カダイフ包み。マヨネーズのソースがくすんでいるのは、竹炭を含んでいるから。 黒色を施す前衛には、黒大根の一閃が効いています。
不思議な空間表現の器には、「クーリ」の真骨頂が載ってきた。液体窒素のパウダードレッシングを振り掛ければ、 忽ち包み込む、涼やかな夏の演出。
ランチタイムでもお馴染みの十五種類のお野菜のサラダ。お野菜の下のお約束。 ライスとともに鹿児島の鰹のタタキが隠れていました。
パスタのお皿に描かれたのは、黄色い人参によるひと筆。お魚のお皿には、鱗焼きした長崎の甘鯛。 その甘鯛を浮かべているのは、レモングラスで仕立てたスープ。 ぱりっとした衣に仄甘い身。 レモングラスの香気がより軽やかにしてくれています。
そこに添えられていたのが、九十九里の蛤の炭火焼き。 蝶番なぞにナイフを入れて開かないようにしつつ、自らの殻で蒸し焼きに。 殻の中のスープが滋味深いのは疑いがありません(笑)。
二本目に選んでくれたのが、イタリアの「ROSSO PICENO Superiore」。どっしりし過ぎない呑み口。 チャーミングなエチケットを眺めつつ、頷きます。
お肉はと云えば、 佐賀牛サーロインの炭焼き。ソースはシンプルに、玉葱のソースとフレッシュトマトのソース。 お皿に小さな穴が幾つか開いていて、 そこに藁と桜のスモークチップが仕込まれている。 口に運んだ佐賀牛に薫香が纏っていて嬉しがらせるのは、 そんな仕掛けによるものなのでありました。
デザートとなってお願いしていたお皿がやってきた。 ささやかながら結婚のお祝いを。 Happy Wedding!
“新富ビストロ通り”のフラッグシップ、レストラン「クーリCoulis」。シェフ曰く、通りのお店たちとは交流があるようで、 ともに盛り立てていきたいとするよな雰囲気が感じとれる。 大人気ゆえ、席の確保が心配だけど、またランチにもお邪魔します。
口 関連記事: Restaurant「Coulis」で 彩り野菜の活力長野収穫のキノコたち(09年10月) 気軽なフレンチ「Bistro Bois de pin」で ポテト戴く鰆青海苔の海(13年05月) Bistro「サンシビリテ」で 自家製サバのスモーク新富ビストロ通り(13年06月)
「Coulis」
中央区新富2-10-10 2F [Map] 03-6228-3288
http://www.coulis23.com/
column/03407