珈琲「Bell」で 老舗喫茶の正しいナポリタン見映えのオムライス

bell.jpg小料理「かく山」の路地の右手は、雀荘「淳」。 その逆側がひっそり営む洋品店。 永らく八丁堀で過ごしているけれど、 ここで買い物をした憶えはありません。 そしてその並び、すずらん通りの角にあるのが、 喫茶「Bell」です。
それは、如月のはじめ頃。 都心にも雪の降る日がありました。bell01.jpgいつもと違う表情を見せ始めていたすずらん通りの背景となっていた「Bell」。 こうして雪まで降って暗くとも、ブラインドは下ろしたままで。 覗かれぬよう、中のひとの所在が判らぬようにしています。

そんな風に、どこか閉じたイメージがあることもあって、 今までほとんど利用してこなかったのだけど、 ある日何気なく、スモークがかったそのドアを引きました。

煙草の煙に燻された空気も覚悟した瞬間はどこへやら。 店内は、勤勉に掃除を重ねたであろう清潔感と整然としたテーブルの配置。 ホール担当のご主人のまめな性格が窺えて微笑ましい。

お注文はやっぱり、「ナポリタン スパゲティ」。 早速、カウンターの女将さんの手許から炒め音が聞こえてきます。

フォークで食べ易いように細かめに刻んだひと口サラダ。 世にフォークで食べさせて食べ難いサラダがどれだけあることか。

「Bell」のナポリタンは、しっかり炒めのシャツに飛ばない系。bell03.jpg火の通ったケチャップがまったりと麺を包んで、こうでなくちゃねと素直に思う。 ピーマン、玉葱、マッシュルームにベーコンと、 彩る具材とそのバランスも正しいのではないでしょか。

面白いのは、銀紙に小分けして、 ピンクな甘酢漬けと缶詰パインが添えられていること。bell02.jpgナポリタンに合わせてというよりは、彩りが欲しいかもという気遣いか。

店の中からは、ブラインド越しに通りの様子がよくみえて、 暗く閉じた雰囲気ではないことが分かったので、 別のメニューもいただいてみようとランチ時。 「オムライス」をいただきましょう。

なはは、「オムライス」にもピンクと黄色が添えてある(笑)。bell04.jpg どうやらそれは、「Bell」のお約束のようです。

下側に折り込んだ玉子の表情とか、 ケチャップの上に載ったふたつのグリーンピースの配置とか。bell05.jpgなかなか何気にフォトジェニックな「オムライス」。

どれどれとスプーンを動かすと、チキンライスの中にもグリーンピース。bell06.jpgなかなか意外な展開はきっと、女将さんのセンスの発露でありましょう。

八丁堀すずらん通りの老舗喫茶店「Bell」。bell07.jpgマスターに店名「Bell」の由来を訊いてみた。 すると、遡ることなんと60年! 先代が店を開業したのがジングルベルの頃だったから、らしい。 横文字を使ったりして、当時ではお洒落なネーミングだったンですよと。

口 関連記事:   小料理「かく山」で路地の気風いつもの定食カキフライと復興かき(12年06月)


「Bell」 中央区八丁堀2-19-6 [Map] 03-3551-4401
column/03278