ランチ四品のお品書き。 結局まだ、こちらの軍鶏しゃぶはいただいてないものの、やっぱり気になるのは、品書き筆頭の「しゃも丼」でしょう。 「さざん」のお昼の特徴のひとつは、ドンブリの前に小さな膳が届くところ。ひとつの箱庭のようなお膳には、サラダに小鉢がふたつほどに味噌汁のお碗。 へー、と思っているところへ空かさずドンブリが届く感じです。 「しゃも丼」の仕立ては、親子丼。軍鶏の玉子を使っているかどうか訊かなかったけど、半熟の玉子が甘めで、その分軍鶏肉のそれらしさを真っ直ぐ味わうものにはなってない。 まぁ、軍鶏肉を直球でごろごろ使ったら、お高いものになっちゃうンだろね。 刻んだ生姜がいいアクセントになっています。
「さざん」ランチ、もうひとつのドンブリが、「くじらユッケ丼」。ユッケらしく、真ん中に玉子の黄身の黄色が映える。 カイワレの間から覗くのは、赤黒いくじらの身であります。 勿論、解凍した赤身なのでしょうけれど、 蕩けるレアっぽさとクセなき独特の風味はまさに鯨らしい。 ヅケのタレとも相性よく、玉子を崩していただきましょう。
お肉系定食のひとつが、「金山豚ロース定食」。 金山豚というのは、愛媛県の金山出石岳山麓の標高600mあたりで育てられているブランド豚ということらしい。そそるルックスではあるけれど、さてさてどれどれと口に含むと、おお、なるほど自然な脂の甘さがじわわと広がって、滋味な旨みがそれを追い掛けてくる。 いいんじゃないでしょうか(笑)。
「牛タン定食」が、もうひとつのお肉系定食。ぺらっとした厚みのくせして妙に硬い牛タンに出喰わすこともあるけれど、 これはそんなことはない。 タンらしい風味が甘さにも思う旨みとともに素直に愉しめます。
茅場町裏道の一軒家の佇まいで、こだわりある端正なお膳がいただける「さざん」。店の名「さざん」は、諸説あるようなんですけどっ、と微笑うおねえさんによると、サザンが好きってこともあるけど、なんか仏像とか仏教のなにかにも由来があるみたいですよ、と。 いまひとつよく判らない(笑)ので、今度は宵闇どきにお邪魔して、「地鶏のたたき」「しゃも唐揚げ」、そして「軍鶏しゃぶしゃぶ」をいただきつつ、改めて訊いてみたい。 隅っこの階段を上がる二階には、隠れ家ちっくな個室もあるようです。 口関連記事: 割烹「辰巳」で 潔くも実直なぶり大根にカキフライ其は南東にあり(11年04月) 軍鶏しゃぶ「さざん」で ささみレバー砂肝炭火網焼と軍鶏味噌鍋(05年03月)
「さざん」 中央区日本橋茅場町2-3-4 [Map] 03-3664-0503 http://www.syamo-sazan.com/
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