
いつぞや何度かお邪魔した桜田通りの竹岡らーめん「梅乃家」。
その並びにも何軒かの気になるお店があるのだけれど、その筆頭だったのが○に「す」と書いた提灯のお店。
テントにあるようにうどんとそばのお店なのだろうけど、壁には「Akio製麺所」ともある。
自家製麺のうどんそば店、ということなのでしょうか。
ポスターに示す「まるすAkio製麺所のこだわり」には、身体に優しい”無添加”で、ちょっと元気になるかもの”アルカリ還元水”使用で、つまりは自家製で、そば粉は奥久慈産、うどんは讃岐粉を使っている、とある。


入口脇の券売機で写真と睨めっこしつつもお品を選びます。
スタンダードな「つけ」「かけ」からオリジナルと謳う「肉」「天ぷら三点盛り」「カレー」「冷ごまダレ」、そして「つくね入りタンタン」や「トマト」とったラインナップ。
まずは「カレーうどん」にしようかな。
大盛り無料ということで、ならばそのようにとお願いしたお膳がやってきた。
あれれ、黄色いカレーの汁を想像していたので、その黒い汁に少々びっくり。

関西のヒトが初めて関東のつゆの色をみた時の気分は、
こんな感じなのでしょうか(笑)。
うむむと思いつつ、とろみの妙に強いつゆの中から麺をひっぱり出す。
細めの平打ちの麺は繊細な表情で、その麺にどっぶりとつゆのとろみが纏わりついてくる。

とぷとぷとぷってな食感でうどんを啜ると、確かにカレーの風味はするものの、醤油の酸味とか甘みとかの方が強い感じで、不思議な味わいのする。
つゆの重量感にか細い麺がすっかり埋没してしまい、うどんそのものの魅力が伝わり難い。
果たして今食べたうどんはカレーうどんだったのだろうかと、ちょっと狐に抓まれた気分でお店を後にするのでした。
ある夜には、セットメニューで。
冷やし・つけ・かけ、から選んだ麺とミニ丼ぶりがセットにできる。
「しょうが焼き丼」と「つけ」を選んでみました。

「しょうが焼き丼」の論評は、
Gingerちんに譲るとして(笑)、
スタンダードメニューの「つけ」はどうか。
カレーうどんと同じく、細めの平打ち麺は、やっぱり繊細な表情。


一見稲庭風でも、見た目の艶も箸に載せた感触も明らかに稲庭うどんのそれとは違う。
乾くにつれくっつき始めるのに気がついて、慌てて解すようにしながらつけ汁に浸す。
柔いコシつきのうどんに対して、たまりを含んだようなつけ汁がこれまた強い味。
無料サービスの生玉子をとぽんと投入してまろやかさを補うか、いっそ天かすやラー油あたりを駆使して、味わいの単調さに変化をつけるか。
うーん、こふいふうどんには、魚介のしっかり利いた白出汁系のつけ汁にたっぷり泳がす感じがいいのじゃないかなぁ。
もしかして普通の天麩羅うどんあたりがイケるのではないか、
と「天ぷら3点盛りうどん」。


南瓜に茄子に竹輪の天麩羅が浮かぶつゆは、やっぱり黒色。
強いとろみこそないものの、醤油の酸味が色濃ゆくうどんを染める。
どちらの醤油か判らないけど、店主の嗜好を捉えて離さないお醤油なのだね。
もしかして、お隣の「竹岡式」が影響していたりして(笑)。
桜田通りに「す」の提灯を揺らす「まるすAkio製麺所」。

訊けば、元来は「Akio製麺所」という名の製麺所。
二代目となって自家製麺したうどん・そばを提供する店を開いた、
ということらしい。
「まるす」の「す」は単に、
店関係者の姓の頭文字「す」を語感からなんとなく拝借した、的な。
折角のうどんの個性を活かす方向へ、宗旨替えされる意向はないでしょか。
口関連記事:
竹岡らーめん「梅乃家」で 竹岡式らーめん甘いタレ味と玉葱細麺(10年06月)
「まるすAkio製麺所」
港区白金台2-26-12
[Map] 03-3455-1955
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