日を改めて、お目当ての「本枯れ鰹 醤油らー麺」を。 今度は無事に間に合ったようです。 拝むように受け取ったどんぶりは、 完成度の高さが一種の風格を呼んでいるかのよう。乳化のまろやかさと一体となったしっかりボディのスープに本枯れ節の深い旨みが渾然として、ぐっとくる。 そんなスープにすっと馴染んで、自らの粉の風味と滑らかな口当たりの魅力をさも当然のことのように伝えてくれる麺。 慌てて食べないで、啜るごとにひと呼吸待って、スープの旨みの余韻をじっくり愉しむのがおすすめ。 店主坂井さんのこのところのイチオシのであるのが頷けるどんぶりであります。 そうそう、別皿にしてもらった「煮玉子」が何気に珠玉の逸品であります。やや硬めにとろんとさせた黄身が香り高く、白身に滲みたタレの旨みと渾然となった瞬間には、どこぞのグランメゾンのシェフも秘かにびっくりなのではないかな?なんて想ったりして(笑)。
もひとつ気になる器があるってことで、今度は夜の九段下。 夜の部には、坂井さんの姿はなく、 いまごろきっとどこかのレストランでディナー中(笑)。 そんなことを思いながら正対するどんぶりは、「特製和風醤油らー麺」です。定番の「らー麺」とも違う、やや澄んだ気配のスープ。 どれどれと早速そのスープを啜る。 むほほほほほほ。 魚粉のズルい旨みとは明らかに違う、じっくり丁寧に煮出した印象の澄んで深い鰹出汁の旨みが動物系のストックに支えられていきいきと伸びやかにその魅力を発揮しています。 いや~、もしかしたらこっちの方が「本枯れ」よりも好みかも、です。
ひとランク違う完成度とそこに留まらない探究心で期待に応え続ける、 ダンディー店主坂井さんの店、九段「斑鳩」。スタッフが伝える注文に「ふぉ~」っと応じる坂井さんの声と笑顔に接することができるのは、昼の営業時間のみです。
「斑鳩」 千代田区九段北1-9-12 九段下ビル1F[Map] 03-3239-2622
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