
やっぱり奇しい五反田大橋脇の旅館「海喜館」。
その様子を遠目に覗いてから、
第二京浜沿いのブックストアで数冊のお買い物。
そのまま大崎広小路駅方向へと向かおうかと、
勝手知ったる裏道へと折れ入りました。
と、十字路の角が見慣れない店舗になっているのに気がついた。
あれ、ここってなんだったっけかなぁと立ち止まる。

ドアの上には、「ORAGA NOODLE」。
なんとなく聞き覚えがあるよな気もしつつ、早速寄り道です。
ドアを開くと大音響に包まれる。

重低音の効いたロックな曲を背中に聴きながら、ドア脇の券売機に向かいます。
メニューは、あつもりを含めた「つけ麺」2種とラーメンが2種類。
まずは、「特製らーめん」をいただきましょう。
曲が、ライブでシャウトする浜田省吾の「MONEY」に替わる。
どこで鳴らしているのだろうとキョロキョロすると、なんと天井にスピーカーが埋ってる。

成る程、音のシャワーのようになっているのは、気の所為ではなかったのね(笑)。
カウンター横手のスクリーンには、
マフラーから火を吹くハーレーに跨るモヒカンヘアのキャラクター。

スクリーンの向こうに、パンクな赤髪のマスターの姿が重なります。
入念に湯切りをして、スープを注ぎ、トッピングを施したドンブリ。

ゆったりと旨味を湛えたように映る白濁したスープにタレが色を注す。
刻み玉葱が軽快さを添えてくれていそうな予感がいたします。
どれどれと蓮華から啜るスープ。

動物系の旨味と魚介系の旨味との相乗効果はここまで洗練されてきたかと唸る感じ。
それはもう、イケナイものをいただいているような気にもなってくるような(笑)。
一瞬、坂井さんち「斑鳩」の一杯を思い出します。
そして、丁寧に湯切りされてそのスープに浸った麺もなかなかの。

手打ち風にモミを加えた形状と太さ、
粉の風味を活かしつつかん水を加減良く利かせました的歯応えが映える。
ニクイじゃぁありませんか。
とろんと解れる炙りチャーシューも太め支那竹さえも完成度高いよなぁと感心しちゃったので、
今度は「つけ麺」に挑みます。
並盛り200g、中盛り300gは同金額、大盛り400gは50円増し。
並でも200gだもんねとそうお願いして暫し待つカウンター。
天井のスピーカーは、チョッパーキメキメのベースソロを鳴らしています。
うんうん、あのらーめんをつけ麺にすると、正しくこうなるという。


麺の甘さに似た旨さがより現れてくる印象だ。
今はなき、馬込「醤屋」で初めての出逢った、
“刻み玉葱を薬味”にする方法も随分定着してるなぁと腕を組む。
刻んだ長葱も白髪葱も好物だけどね(笑)。
ロックセンスなルックスに丁寧かつ実直な心意気を秘めた、
GOTANDA「ORAGA NOODLES」。

なんか聞き覚えがあるなぁと思ったのは、強ち間違いではなくて、
以前、新橋にあった「おらが」が、マッカーサー道路の影響か、移転してきたもの。
再開発ってお店を喪失させ、積年の情緒を失わせるものだけど、
ニクいお店を身近にしてくれるなんてこともあるのだね。
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「ORAGA NOODLES」
品川区西五反田1-32-4田中ビル1F [Map] 03-3491-9909
http://oraga.in/
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