築地仲卸・築地三代直営「地下の粋」で 夏の真牡蠣に岩牡蠣に

chikanoiki.jpg築地四丁目の交差点角。 マクドナルドの入ったビルが、 ご存知、いわゆる築地共栄会ビルです。 市場時間のすっかり過ぎた夕方となれば、 一階の店々はグリルシャッターを下ろして、 ひっそりとした表情をしています。 そんなフロアの一角で活気を帯び始めるのが、 築地三代目直営「魚や粋」。 なかなか間が悪くて、その活気の仲間に入れていないのだけど、今夕はその「魚の粋」を飛び越えて、「魚の粋」スピンアウトのオイスターバー、「地下の粋」へと潜入しました。
開店の17時ちょっと前に店前で待ち合わせ。 勝手を知らない仲間たちは、ビルの有料トイレを避けて、トイレを探して随分遠くまで行ってしまったらしい。すんません(笑)。 開店を待つ目線に急かせられてのことではないだろうけど、慌しく準備が済んだ店先で人数を聞かれ、中央の荷車的テーブルへ。 chikanoiki01.jpgビールをちょろっとスタイニー瓶でいただいて、早速生牡蠣をいただきます! この日の品書きにある限りでも12箇所の産地の名が並んでいて、どうしていいやら悩んでしまう。 思いつきでまず、京都の「舞鶴」、北海道の「昆布森」を一人ひとつづつ。chikanoiki02.jpg 檸檬をちゅんと搾って、ちゅるんといくミネラルと澄んだ磯風味。 嗚呼、生牡蠣の醍醐味よ。chikanoiki03.jpgぷっくりして、濃いぃ味わいの一派、「舞鶴」。 一方の「昆布森」は、どこかまだ若々しいような清澄さに磯エキスが包まれているような感じ。chikanoiki04.jpg「昆布森」ってどこかで聞いたことあるようなぁと腕組みして思い出したのが、 恵比寿の居酒屋「和」。 冬のシーズンに売り切れで食べ損なったのが、「昆布森」だったんだ。 そこであれれ?と品書きをよく読むと、「真牡蠣」と書いてある。 そうなの?とカウンターの兄さんに訊ねると、宮城の「気仙沼」は実は今頃(その日は7月末頃)が旬の時季で、「昆布森」は走りだという。そして厚岸などの方へと巡っていくと。 恥ずかしながら真牡蠣は冬だけのものと思い込んでいたので、ちょー吃驚。 10月に入って解禁されて市場に出回るものというスリコミをされている方も多いのではないかしらん。 産卵しない牡蠣、ともいわれる、三倍体牡蠣でのことなのかなぁ。 なぁんにも知らないよなぁと頭をポリポリしながら、 今度は、熊本「天草」(岩牡蠣)をいただいてみる。chikanoiki05.jpgそれは、丸くころんとして、どこかあの「クマモト」を彷彿とさせるようなフォルムの牡蠣。 種が復活しているのでしょうか。 オイスターバー「地下の粋」では勿論、生牡蠣以外にもあれこれ牡蠣メニューがある。 例えば、「釜石」を使った「真ガキのパテ」。chikanoiki06.jpg世のパテ好き&牡蠣愛好家には、ありそでなさそな待望の前菜、ワインの友であります。 なので、さっきから呑んでいたおすすめ白ワインのボトルをお代わりすることに(笑)。 chikanoiki07.jpg 割とミネラルな白ワインには、 「舞鶴」をつかった「岩ガキのオイル漬け」もよく似合う。 檸檬をほんの少々搾って、晒した玉葱と一緒にね。 「トマトチーズ焼きと並んやっぱり気になるのが、「牡蠣の西京味噌バター焼」。 西京味噌と牡蠣の相性悪かろうはずもなく。chikanoiki09.jpgchikanoiki08.jpg香ばしくした味噌の風味が堪らなく、 そこへ弾ける牡蠣の汁が輪を掛けて堪らなくします。
仕上げに「天然魚介出汁のスープカレー」に走るのもまた一興なれど、 今夜は再び生牡蠣で〆たりしてみたい。 ハッポーの箱には、ごろごろと大振りの牡蠣が出番を待っていて、 その中のひとつ、三重「鳥羽」を指名しました。 「特大」と示されているように、 デカイ殻にでででんと収まった牡蠣はもうグロテスクでさえある。 chikanoiki10.jpgchikanoiki11.jpg さすがに包丁を入れてないとしんどいけど、 それをニコニコしながら頬張る絵面って、どうよ(笑)。 うううむ、じつに濃密濃厚な味わいであります。

築地仲卸・築地三代の店「魚の粋」からスピンアウトした、 市場のオイスターバー「地下の粋」。chikanoiki12.jpgできれば、揚げモノなんかもして欲しい。 そう、フライなんかを是非に、ね(笑)。 □関連記事:  酒亭「和」で 和和和十四代とニクい酒肴スルメイカ肝あえ焼き(08年11月)


「地下の粋」 中央区築地4-7-5 築地KYビルB1[Map] 03-6228-4442
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