ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味

marukai.jpg思い起こせばそれは、弘前の中華そば「たかはし」についてのtakapuの記事。 遡ること二年以上も前のその記事で、嗚呼、青森には、見るからにそして想像するだに旨そうなラーメンがあるのだと知った訳です。 そのラーメンは、煮干し出汁がなんとも濃いぃ様子の中華そば。 「伊藤」「新宿 凪」「つし馬」など、ここ最近は東京でも珠玉の煮干し中華を供してくれる店が根付いているけれど、やっぱりご当地と思う青森の中華そばに浸りたい。 この冬の青森への旅は、煮干し中華を追う旅ともなりました。
バンバン降る雪の中、まずはホテル近くの「まるかい」へ。 軒先に何台もの車が頭を突っ込んでいて、その車の間を抜けて扉を引くアプローチ。 時刻は、11時ちょっと前。marukai01.jpgまだ空いている光景を想像しながら硝子越しに覗く店内は、青森ではみんなブランチに中華そばを啜るのかいな、とそう思うほどにテーブルが埋まっています。 すでに全身が煮干しの匂いにそっと包まれているのを感じながら、 テーブルでじっと待つは「醤油ラーメン」中盛り。marukai02.jpg湯気を上げて届いたドンブリの汁は、澄んでいる。 一瞬、薄っぺらな味わいのスープだったらどうしようと、 そんな心配も脳裡に過るまま、スープを啜る。marukai03.jpgうんうん、うんうん。 思わず頷いて首を縦に振りながら、ズズとまたひと口。 そんな心配はまったくの杞憂で、 澄んだ中にたっぷりの旨みと奥行きのある風味を含んでる。 そのスープでゆったり泳ぐ白っぽい麺は、 モチっとしながら歯切れのいいあっさり感。marukai04.jpg takapuが日本蕎麦のような中華そば、と喩えるのがナルホドな汁と麺の組み合わせ。 細打ちのうどんのようでもあるね。 スープの表面に浮かぶ脂なく、醤油の仄か酸味も軽やかに、 それでいて煮干しの魅力がふくよかに。 marukai05.jpgああ、こりゃ、ちょっと呑んじゃった翌朝になんか最高だ(笑)。 浅草「つし馬」の「中華そば」は、「まるかい」の路線だと云ってしまっても強ち間違いではないかもしれないな、なんてことを思いつつスープを干していくのです。 気取らず構えず普段使いで、 澄んだ仕立ての煮干しラーメンがいただける「まるかい」。marukai06.jpg会社の名前が○に海で「マル海」だから「まるかい」。 如何にも大衆食堂な店内の佇まいも、咥え煙草で新聞広げるレジの兄ちゃんの立ち姿も客に媚びない雰囲気も、頼もしくも微笑ましくも思えるンだ。
そうそう、ここ「まるかい」を訪ねる前に寄った青森県観光物産館「アスパム」。 その中の「青森県地場セレクト」でいただいたのが、「ホットアップルサイダー」。 スープジャーから汲み上げるように注いでくれた紙コップからは、林檎の甘酸っぱさが芳しく漂ってくる。 温かさも手伝って思わず、コップを両の手で抱くようにして、 その甘酸っぱさを啜る。marukai09.jpg酸っぱさも甘さも意外と柔らかで、その加減がいい。 冷たかったら、この林檎の甘さと酸っぱさとの間に幾重にもある風味の襞は判らないのかもしれないね。 ちなみに、サイダーというとどうしても「三ツ矢サイダー」あたりに連想が飛んで、炭酸飲料だと思いがちだけれど、サイダーとはつまりは「果汁」のこと。 搾りたての林檎果汁を無添加のまま温めたのが「ホットアップルサイダー」なんだ。 marukai07.jpgmarukai08.jpg ちびちびと啜っているうちに、冷えた身体も温まって、ほっとする。 いや、だから、シャレじゃなくって(笑)。 シナモンやクローブの粉末を振ってみたり、「雪のせ」と呼んでホイップクリームをトッピングする手もある。 ボクはそのまんまが好きだけどね。 この「ホットアップルサイダー」は、この23日(土)-24日(日)に原宿の明治神宮文化館で催す「とことん青森2010 青森ご当地グルメ屋台村」でも啜れるそうです。 「まるかい」 青森県青森市安方2-2-16[Map] 0177-22-4104
column/02923 @550-