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Cafe「Saint honere」で スイス風ハンバーグは黒褐色のソース
新川の越前堀公園近くの喫茶店然としたお店、
「サント ノーレ」。
入口廻りを僅かに被うテントの色褪せ具合に、
お店の年季を思いつつ、扉を開く。
外観からなんとなく、やや暗い、小じんまりしたイメージを抱いた店内は、広い開口の硝子窓からたっぷりと陽が射していて、その窓に沿ってテーブルセットが並んでる。
ひとり客は、カウンターの隅へと陣取りました。
「サント ノーレ」のランチメニューは、6種類。筆頭の「スイス風ハンバーグ」にだけ、当店のおすすめ、と書かれてあります。
ここは素直にそのお薦めに従っておくのがいいでしょう。
ちょっと塩辛いコンソメ風カップスープに続いて、意外と早くやってきたのが隠元を三本頂いた鉄鍋。スイス風とは、スライスチーズをのっけてちょっぴりとろんとさせている辺りを云うのだろうなぁと思いながら、そのハンバーグを縁取っているソースに目が留る。
その色合いはもう、真っ黒といってしまってもいいような黒褐色。
チーズ越しにハンバーグにナイフを入れ、その黒いソースを十分に塗すように纏わせて口へ運ぶ。
ほうほう、たっぷりの玉葱をじっくり炒めている光景が浮かんでくる。
ちょっと焦げちゃったような色合いなのに、焦げ臭さは勿論なく、といって酸味に倒れることもなく、野菜エキスがもたらしてくれた飴のような艶がある。
もうひと味欲しいような、それではしつこくなるような、そんなバランスが面白い。
鉄鍋に残ったソースとお皿に残ったライス。それを交互に眺めては、ここは素直にと、そのライスを鉄鍋に投入し、仕上げをハヤシライスにしてしまうのでありました(笑)。
ちゃんと「ハヤシライス」もいただかねばと再び訪れた、明正小学校の先。
「ハヤシライス」をお願いするつもりだったのに、
口をついて出たのは「半カレー&半ハヤシ」。
先に届いたライスをみて、思わず微笑む。
だって、右と左にかっちり半分に区切られているのだもの。
厨房の皆さん、几帳面な性格なのかもね(笑)。
そして、ハヤシとカレー、ふたつのソースパンを受け取ってさらに微笑む。ハヤシのソースパンには、ラテアートのようにスマイルマークが描かれているンだ。
折角、ライスを左右に区切ってくれているのだものということで、それぞれが極力混ざらないように慎重に、そして大胆にソースパンからお皿に流し移します。カレーの方には確かに辛みがあるものの、粘度の加減がハヤシに似通っていて、さすがにちょっと重たくも思えてくるあたりが、なんだこれまた微笑ましい。
周囲のオーダーを何気に聞いていると、
その八割方が「スイス風ハンバーグ」かとも思うCafe「サント ノーレ」は、
何故だかランチ客の九割方がサラリーマン。パリのサントノーレ通りがその名の由来なのかな。
「Saint honere」 中央区新川1-13-6 [Map]03-3553-9983