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Restaurant「Coulis」で 15種野菜とハーブでポワレとキノコのパスタ
恋に落ちるかもしれない、そんな予感。
そう、のむのむさんをときめかせていた店が新富にあるということで、お邪魔する機会を目論んでいました。
まだ8月だというのに、妙に涼しくそよぐ風に誘われるように足を運んでみる。
目的地は、新富の裏通りの「Coulis クーリ」。
鉄骨造のつくりが外観からもそのまま判るファサードで、黒い外装のフレームのその中に硝子越しの白い意匠が覗けます。
一階には花屋さんが入っているようで、店の所在を示すフラッグが同じデザインなのは、なにか関連があるのかな。
白い階段をあがると、
外観からのイメージとすんなりマッチする、白い壁と木目の優しさで構成するフロア。
16席分のテーブルとカウンターに4席ほどと、広過ぎず狭過ぎずの心地よさは、ゆったりした天井高によるところもありそうです。
そして、女性ばかりで席が埋まるという素晴らしさ(笑)。
メニューは卓上にはなくて、ビストロによくみる、ひとつの黒板によるご案内。
お魚な気分ゆえ、Pasta、Fish、Meatの中から、Fishをチョイスしました。
オーダーは、「フレッシュハーブでマリネした本日の鮮魚のポワレ」。
で、本日のお魚は、メダイ。
忙しなく小刻みに動く厨房の様子からは、淀みのないフレッシュな覇気が伝わってくるようです。
まずやってきたのが、「自家製パン」と「15種類の野菜と本日の前菜」。
ころんとして小振りのパンをひと齧りすると、もっちりして澄んだ粉の香りが和ませる。
そして、これで前菜かよ!とツッコミを発したくなる白いお皿。臆することなく沢山の種類の野菜たちを盛りつけてくれています。
それは一部は素揚げしたり、切り方を変えたりして、食感や歯触り、色合いが華やか。
そして、その底の方から炙って香ばしくした秋刀魚とサラダライスが顔を出すという仕掛けにしばし驚き、ほくそ笑む。オンナノコがやられちゃいそうな瞬間に、オジサンもやられました(笑)。
秋刀魚にかかっていたタレの如きソースも絡めるようにしながら食べ進むと、気がつけば野菜を沢山採れている、ということになるのだね。
さて、メインがやってきました。
白皿に描いているのは、皮目をカリリと揚げ焼き的にしたメダイの身を真ん中に据え、手前に杏色のソース、左上にまた別のソース、そして廻りを囲む野菜とハーブたちがつくる構図。メダイの下には、甘く焼いた玉葱と紫米を交えたようなライスが敷かれています。
なんだか妙に嬉しくなっちゃう、細やかなお皿の仕立てをじっと観る。
身を解さないように皮目を下にひっくり返してからナイフを入れ、ぱくっと。
皮の香ばしさと白身の甘さ、ローズマリーの香り、そしてソースの酸味や野菜たちの香気などなどがすんなりと一体となって、唸らせる。
いいなぁ、世のオジサンたちもこふいふランチを臆することなくいただくようでなければいけません!(笑)。
するとやっぱり、こっちも気になるじゃんと連日の新富町。
今日の目当ては、Pasta、「大山鶏とキノコのフェデリーニ」であります。
秋刀魚潜めた野菜たち活きいきの前菜に改めて感心して、待ってたお皿。きのこあれこれに、寄り添う藤色の身は長茄子かフェアリーテイルか。
水っぽいばかりで出汁の感じられないパスタも少なくない中で、乳化したソースに大山鶏の旨味とキノコの風味がしっかりと含まれていて、ほ~、と唸る。いいなぁ、とふたたびアルデンテをチュルチュル。
やっぱり、こういうランチをオンナノコだけのものにしておいちゃいけないぞ、っと(笑)。
この4月に新富の裏通りにスタートした「クーリ」の拘りは、産地直送の野菜たちをふんだんに。
Webサイトには、”春は山菜、夏は野生のクレソン、秋は山きのこをスタッフ一同で長野まで採りにいく”、とある。そして、「Coulisクーリ」とはフランス料理用語で、「野菜や果物のピュレ」を云うらしい。
“野菜が持つ素材本来の魅力を充分に引き出した料理を”と謳う想いが、きっとそこにも表現されているのだね。
「Coulis」 中央区新富2-10-10 2F [Map] 03-6228-3288 http://www.coulis23.com/