column/00964 -reprise01 @2,250-
中華料理「大宝」で ビール餃子と焼飯とニンニク匂いに包まれて
首都高の高架を背にした古川橋近く。
ここの「タンメン」に鮮烈な印象を憶えたのは、いつのことだったかな。
車の中でいつ営業を始めるのか判然としなくて、首を長くして待ったことも思い出す。
正午になっても暖簾が引っ込んだままで、
折角来たのにもしかして今日は休みなのじゃないかとドキドキしたりした。久々に今度は夜に来てチャーハンでも、と思って7時過ぎ頃に店の前に到着するとやってない(泣)。
臨時休業かなぁならば日を改めようと帰ってから調べると、なんと夜の営業は8時かららしい。
そうかぁということで、今度は20時ちょい過ぎに行く。
魚らん坂下から進んで古川橋を渡るあたりで、暗がりに黒字に赤い縁取りと「大宝」と黄色い文字が浮かんでいるのが確認できました。うん、やってるやってる(笑)。
ところが、暖簾を払って硝子越しに中を覗いてびっくり。
既にすっかり満席であります。
開店を並んで待って、開くと同時に席へと雪崩れ込む様子が脳裏に浮かびます。
こうなれば、素直に待つしかありません。
右手頭上の品書きでは、「焼飯」の横に「お昼は焼飯は致しません」とある。
そうか、ランチじゃ焼飯食べれないンだ。
空いたカウンターの隅っこで瓶ビールをくいくいしながら、「餃子」が焼き上がるのを待つ。
大将が大きな北京鍋を返す度に大蒜の匂いがぶわーんと辺りを満たします。
うん、すごい凄い(笑)。
届いた「餃子」は、率直に旨い。
噛んで滴る脂と粗く刻んだ餡の味付け、むにんとした皮。
ビールの合わない訳のない。
そしてタイミングよくやってきた「焼飯」。
パラパラ感は見た目にもよく判る。
ただ、玉子しっかりコーティング系のチャーハンというよりは、油を薄く巧みに廻してある感じ。
それでいて、米の一粒ひと粒がベチャつくことなく活き活きとパラパラと。化調を臆せず使うのが街の中華の常道であって、チャーハンに感じる仄かな甘さは、旨味と背中合わせの化調の甘さなのかもしれないな。
それは特別否定的に思うことではなくって、
むしろ今日以降に食べるチャーハンの基準になりそうな焼飯だ。
古川橋のあの店と云えば、中華料理「大宝」。また再びニンニクと化調の「タンメン」も食べたい。
すっと何気なく、相方の女性の小皿にスープを垂らしてその都度確認する所作が妙にいいんだ。
「大宝」 港区南麻布2-7-23 [Map] 03-3452-5625