この日は、グラドを離れてスロベニアとの国境の町を訪ねようと、朝早くバス停に急ぎ足。
なんとか間に合ったバスは、グラドと本土とを繋ぐ長い橋を走り抜け、東寄りにと進路を取ってゆきました。
到着したのは、ゴリツィアGoriziaの街。
トイレを借りようと駅のホームに侵入して、記念写真一枚(笑)。日本の鉄道のように改札があるのがいいのか、
ないのがスムーズなのか、それぞれ一長一短ありそうですね。
漫ろ歩くゴリツィアの街並み。舗道で憩うカフェなんかもあり、
なんだかゆったりと時間が流れている気がします。
横断歩道の路盤も石畳で表現されていて、いい感じ。どこもかしこもアスファルトを敷設してしまうのが、
無粋に思えてしまいます。
目抜き通りのひとつと思われるCorso Italiaから、
その先のCorso Giuseppe Verdiへ。
日本のように突出看板がなく、街並みがすっきりして美しい。郵便局の建物から右手を覗いたら、
その奥やや遠くの丘の上に、
小さなお城Castello di Goriziaが目に留まったりする。
郵便局の斜向かいのブロックには、
幾つかの商店が並ぶ長屋があって、
その中の一軒は、つまりはワイン屋さん。ボトルが居並ぶ様子ではなくて、
なんと計り売りがメインな様子。
地元産の白ワインをペットボトルに詰めて貰います。
そしてその並びの門が市場の入口。どこかの小学校の入口のようでもありますが、
その門扉には錆色が素敵なエンブレム。
丘の上のお城をモチーフとしているのでありましょか。
建物に入ってすぐには、色々な果物が並んでる。初めて目にするような野菜たちを横目に進み、
そのまま建物の裏手に抜けて、
一棟奥の建物に闖入するとそこが魚市場。
そこでなんとグラドで魚を扱うひとに会ったりするのでした。
ちょっと歩き疲れたねとその脇に立つカフェに立ち寄ってみる。
Caffè「TUBINO」とサインがあるのは、
イタリアのコーヒーブランドのひとつであるらしい。
「illy」のライバル、といったところでしょうか。
カウンターの女性がひとりで切り盛りする、コンパクトな店内。みんな、勝手知ったる風情で、
それぞれがそれぞれに常連であるように映る。
店の隅にあった、建具に囲まれたとても小さな空間が、
トイレであるか否か、今でも謎のままです(笑)。
いただいたのは「Villacher」のボトル。ドライというよりは、どことなく硬質感のある吞み口が面白い。
軽やかでいて苦味がしっかり利いている。
フィッラッハVillachというのは、
イタリアと国境を接しているオーストリアのケルンテン州、
その一番南の街のことであるらしい。
イタリアのひと達にとっては、隣の国のビールということになるんだね。
スロベニアとの国境の町ゴリツィアGoriziaの、
ジョヴァンニ・ボッカッチョ通りの魚市場の入口に、
地元のひと達が集うCaffè「Boccaccio」がある。カウンターのお姐さんと冗談のひとつも交わしながら、
エスプレッソをくいっと舐める、
ベッカムカットでジローラモ風御仁の後ろ姿も印象的です(笑)。
「Boccaccio」
Corso Giuseppe Verdi, 28 34170 Gorizia GO Italy [Map]