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Flor de Café「樹の花」で ジョンとヨーコと卵とココナッツカレー
角のお茶ショップ「nagomi-NATULURE」と
ビストロ「Vivienne」との間に入口のある、
Café「樹の花」。
ランチメニューにカレーの写真がふたつ、階段脇にいつも掲げてあって、その前を通るたびに寄ってみよう寄ってみようと思いつつ、この日に至っているのでありました。
階段の上がり口正面には、「ジョン・レノンと樹の花」と題したパネルがある。
そこには、1979年の夏に、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが開店四日めの此処「樹の花」に訪れた情景が語られてる。
そんなことがあったンだ、さぞや吃驚し、緊張し、感激したのだろうなぁと思いながら、同じ階段を踏みしめ二階の扉へと。
一種の風格が醸すしっとりとした空気が、まるで軽井沢の裏通りに古くからある喫茶店、
そんな印象を抱かせます。
あの入口寄りの小さなテーブルが、ジョンとヨーコが座った席なのかな。
注文を訊いてくれた女性の、丁寧にすることを愉しむようにフロアを行き来している様子が居心地の良さを引き出しているよう。
のむのむさんも口にしていた定番「豆と野菜のカレー」を横目に、
今週のカレー「卵のココナッツカレー」をとお願いします。
ナンかライスかを問われて、どちらが合います?と逆質問にすると、「ライスが合うと思います」と間髪入れずの即答が潔い。
人参のサラダの向こうの窓越しに初夏のような陽射しを眺め、その向こうには「小諸そば」(笑)。
ターメリックに黄色いライスと一緒にオレンジ色のソースを湛えたお皿が届きました。
スープカレーの要領でライスをスプーンに載せてから、真ん中のポーチドエッグを削るようにしつつ、その脇のカレーと一緒に掬って口へ。
トマトの酸味とココナッツのほんのりしたコクが優しい基調の味わいの中に包まれるようにしている。
喫茶店のナンチャッテカレーであることの危惧は早々に消え失せる。
シルキーな柔らかさからふつふつと旨味が沸いてきて、コリアンダーの一葉が絶妙なアクセント。
意外や、ハッと我に返るまでの遮二無二一気喰い。
さっきのオネエさんに笑われてやしないかと辺りをキョロキョロ(笑)。
すると、知らないが故のサプライズが、小さなグラスに届いた「お口直しのデザートコーヒーです」。
ふと、日本橋「誠」でいただいたカクテルグラスのコーヒーを思い出す。
そこへ、豆を挽く音に続いて、珈琲の薫りが漂ってきた。
すっきりした苦味というのもまた、ゆるゆると心地いい。
ジョンとヨーコがお忍びで訪れた店として知られるCafé「樹の花」。
そんなエピソードに興味があってもなくっても、「樹の花」で昼どきを過ごすは一興だと識りました。
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「樹の花」 中央区銀座4-13-1 飯沼ビル2F [Map] 03-3543-5280