名古屋エリアの好来一派の総本山として、一目も二目も置かれているという、吹上最寄りの「好来道場」へとやって参りました。
元来の「好来」から一時閉店や弟子たちの輩出を経て、
”道場”と称するに至った、どうやらそんな経緯があるようです。
静かな住宅地にそっと溶け込むようにある薬膳系らーめん「好来道場」は、壁に掲げた木札が”道場”らしさを醸していて、微笑ましくも頼もしい。
カウンターにつこうとするとチケットをと促され、
入口右手に設えた帳場で、頭上の品札を見上げます。
「松」「竹」「寿」に「快老麺」とあって、「松」が基本形、「竹」はそのままメンマのせ、「寿」は寿ぐチャーシューという符丁になっているよう。「松」「ねぎ多し」の番号札を仕込みます。
頭上の下がり壁には、「大金を求めないこと」に始まる「店是五ヶ条」が掲げられていて、道場主の本懐が簡潔に示されています。
スープのことなのでしょう、「和漢根菜煮汁」と認めた木札も見つかります。
「好来道場」では、初めて目にする特異な麺笊を使っていて、広い口径のステンレスの笊に十字に仕切りを入れてある。一遍に4玉湯掻くことを意図したものかなと思うものの、どんぶりに麺を移す所作を見ていると、なんだかやり難そう(笑)。
知られざる流儀がなにか潜んでいるのでしょうか。
正面より恭しく頂戴したどんぶりは、一見あっさり醤油風の見栄え。
「根菜煮汁」と謳うだけあって、野菜の柔らかな風味がスープの根っこになっていて、尖ったインパクトはない代わりにコク味の芯の確かさと毎日食べちゃっても良さそうな仕立ての優しさがある。
これぞ、しみじみ旨い、のだなぁー。
いきなり精神論を打って緊張を強いるようなおっかないオヤジだったらどうしよう、なんて心配は杞憂で、確かに体育会系武術派的心意気は滲ませてくれているものの、接客するオヤジさんはあくまでも柔和な面持ち。
弟子たちにとってはどうか判らないけど、訪れる客たちにとって「好来道場」は、オッカナイ道場ではありません。大将を慕って足を運ぶひとも少なくないのだろうなぁ、そんな気がします。
今度機会があったら、
ヒロキエさんも食べていた「快老麺」に挑みたいな。
「総本家 好来道場」 名古屋市千種区春岡通6-1-16 052-735-3655
column/02614