食堂「廣田」田園調布で 牡蠣料理の醍醐味を識る

hirota2.jpg 再びやってきました、寒空の雪が谷大塚。 初めて訪れる時は、こんなところにそんな珠玉なレストランなんかあるンかいな、 と怪訝な表情になりがちですが、 今回はまだ二度目だというのに、自宅に帰るような足取りで環八を越えてゆきます。 主宰はご存じ、カキタベ!委員長takapuさん。 今夜も委員長ならではの、めくるめくが堪能できそうです。
まずは、殻にのった牡蠣三点。 hirota2_03_2056.jpgワシントン「クマモト」「ペンコープ」にカナダ「ファニーベイ」hirota2_02_2055.jpg。 北米産牡蠣にスポットして、さらにそれぞれの風味の違いを愉しませちゃおうという意図がニクイ。「ペンコープ」のこっくりしながらキレのある風味が特筆だ。hirota2_01_2054.jpghirota2_05.jpg オススメのシャルドネhirota2_04.jpgを合わせたところへ、ココットがやってきました。 牡蠣のグラタンだ。 濃密に仕立てたベシャメルを探ると、中から炙られうま味の凝縮した牡蠣の身が現れた。hirota2_06.jpg大振りの牡蠣は仙台から。 刻んだイベリコ豚を含むソースのコクと牡蠣の身の力強さが拮抗して、魅力漲る食べ口に唸る。 委員長の「あつっ!うまっ!あっつ!うめっ!」が微笑ましくも喧しい。でも気持ちがよく判る(笑)。 hirota2_07.jpgそして、でぇ~たぁ~! 伝家の宝刀、俗に呼ぶ「カキボール」だぁ。 前回の偉容から察するに、ひと回り小振りにも思えるものの、やっぱり嬉し楽しいカキフライだ。 ソフトボール大の外郭へ例によってフォークの先を切り入れて中身をご開陳。わらわらと蠢くような牡蠣が、はよ食べなはれと誘います。hirota2_08.jpgカリリとした衣と牡蠣の身を合わせ食べれば、じっくりじっくり火を通したことによる凝縮した旨味がドドドンと圧倒してくる。その骨太な味わいに山盛りにしたキャベツがよく馴染む。 いいなぁ。やるなぁ。真似しようとは思わないけど、これって大体何分ぐらい揚げるンだろうね。 そしてカキボールとは違うベクトルで牡蠣を堪能させてくれたのが、「大根と牡蠣の炊き合わせ」。hirota2_09.jpgエキスが零れないように、オーブンで炙ってから丁寧に煮含めた牡蠣は広島産。 柚子胡椒で〆た所謂銀あんがしみじみとした滋味でふっくらした牡蠣を包み、活性した牡蠣の魅力と渾然として目を閉じて味わってしまいそうになる。そっと控えた大根にもそのしみじみの余韻がしっかりと。 さらに転じて、がっつりと攻めるシメのスパゲティ。hirota2_10.jpg hirota2_11.jpg半切牡蠣をメインに、どこかサワークリームをも思わすクリームソースで包んだトッピングはコクある味わい。そのトッピングに負けじとトリュフを織り込んでいるという牛肉スパゲティも濃いぃ味仕立て。満足中枢に直球を投げつけて、クライマックスを演出しようという魂胆がまたニクイ。 hirota2_12.jpgそんな高揚した気持ちをそっと落ち着かせてくれるのが、「廣田」自慢の珈琲。 店内いっぱいに香ばしく薫り、そしてほどよい苦味と酸味が和ませる。 ザンビアやニューギニアの豆をオリジナルにブレンドしたものだそう。 ふぅ~。ぱかぱか呑んじゃったワインの酔いまでも洗い流してくれるよう(笑)。 訊けば、こちらの店主、あの築地場内の「豊ちゃん」で働いていたことがあり、今も関係が深いんだそう。市場と云えば、この日の牡蠣は生の三点をはじめとして、大田市場の仲買「山宗」からのものが中心だそうだ。 北米産のぎゅっと濃縮した生牡蠣の魅力から、上手に火を熱を加えることで格段と活性する牡蠣の魅力までを堪能させてくれた「廣田」のカキタベナイトでありました。 今宵のご同席多謝は、 「カキタベ!」委員長のtakapuさん 「バンド・オブ・トーキョー☆」のロレンスさん 「色々だらだら」の 魯 さん 「東京のむのむ」の のむのむさん と てくてくさん 「春は築地で朝ごはん」つきじろうさん 「Tokyo Diary」のromyさん 「華麗叫子の胃袋は偉大なるコスモ」華麗叫子さん ちはやまことさん でした。ありがとうごさいました~。
そしてなんと、「カキタベ!」が、スゴブロ2008にてベスト20入りを果たすという快挙を成し遂げました!! なんか自分のことのように嬉しいぞ。おめでとございますー。 口関連記事:食堂「廣田」田園調布 で空前絶後のカキボール(07年11月)
「廣田」田園調布 大田区田園調布本町49-1-1F http://www.bronet.jp/
column/02440再会