Restaurant「PIERRE GAGNAIRE a Tokyo」
この11月に刊行予定の「ミシュランガイド」での三ツ星候補最右翼とも目される「ピエール・ガニェール・ア・東京」に参ずる日がやってきました。炎天下、表参道交叉点から根津美術館方向へ。「プラダ・ブティック」を過ぎた、これまた特異な偉容をみせるビルの4階がそのステージです。フロア奥の半個室は、テラスにいるように明るい。さあ、「DEUTZ BRUT CLASSIC」をアペリティフに、3時間以上に及ぶというランチコースの幕開けだ。純白の流線型のプレートに載ってきたのが、緑色鮮やかな「セロリのフィナンシェ」と、さらに小さな蓮華に載ったころんとした球形、シャンピニオンの「ライスコロッケ」。橙色と黒のコントラスト「サフランのテュイル」。「しょうがのビスケット」「ひよこ豆のフリット」の小皿。そして一転スクエアな構成でみせるひと口なパンたち。思わず、へー、やら、おー、やらの感嘆詞が既に口から零れ始めていて、幕開けに相応しい!と力んで思ってみたものの、実はまだコースが始まってすらいなかったことを知って、ハッとなる。ここからが、この夏のランチコース「夏・ア・東京」をフルに愉しむ“DEJEUNER”のスタートなのだ。アミューズになんと5品。抹茶塩やバジルなソースをあしらったピンチョス的「鶏胸肉のプロシット“イッチョ”」、日本の夏の涼味「西瓜のソルベ 酸味を効かせたルッコラ」、お代わりしたい冷スープにキューブ野菜が泳ぐ「野菜のナージュ 軽い燻製香 “メロン・赤スグリ・黒オリーブ”のキューブ」、爽やかなピーマンの香りと夏の魚がいい相性の「赤ピーマンのロワイヤル イワシのタルタル」。そして、白地に茶色を不思議に配した「アーモンドミルクのジュレ 黒ビールのシロップ」。シャルドネの熟成を感じるガメ地域の白にボトルを代えて、前菜の「香ばしい玉葱のジュレと生牡蠣 コンテ・赤ピーツ・メルバトーストを添えて」。赤蕪的ビーツや玉葱の下敷きに、よいしょと載せてくれた牡蠣は大ぶり。
「PIERRE GAGNAIRE a Tokyo」
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