寿司「ゑんどう」中央市場店

endo.jpg早起きをして再び、野田の卸売り市場に行ってみました。正門から入り、”マイドグルメ”というベタなネーミングの飲食棟に向かいます。ターレに注意しながら辿り着いたのは、市場の本棟や物販の関連棟とは少し離れた、8軒ほどのお店が並ぶ別棟です。その中の一軒、寿司の「ゑんどう」に突撃してみました。先客は、カウンターに市場の関係者らしきご年輩がおふたり。駅からのアクセスは決して良くないので、平日の朝から観光チックな客がいる感じではないのかもしれません。オバチャンが云うには、注文は5貫のひと皿単位。マグロを残して他のタネを変えていくのだという。へ~と思いながら、茗荷の浮かぶ甘い赤出汁を啜っていると、トンと長皿がやってきました。オバチャンがその長皿の脇に、小さめのどんぶりを寄せてくれます。むらさき、というか煮切りなのでしょうね。刷毛でちょんちょんと自ら塗っていただくっつー寸法です。鯛の上に載っていた大根おろしが妙に甘くてびっくり。続いて端から、トロ、ハマチ、ウニ、穴子と食べ進む。ふた皿めは、ハモ、トロ、ホタテ、赤貝に鰻。シャリは、酸味も甘みもない感じで素っ気ない。握り方もなんだか片手でむんずと掴んだだけのようにも見える不思議な仕立てなのですなぁ。老舗「ゑんどう」さんの握りは、この“つかみ”寿司がスタイルらしい。面白いっちゃ面白いけど、握り方云々の前に、鮨飯そのものをもうちょっとこう、タネを上手に引き立てるモノにはして欲しいなぁと。たまたま調子が悪かったのかもしれない。ただ、勇んで早起きしてやってきただけに、残念な心持ちが募っちゃう。あ、そうか、そもそも築地の6号館に馳せるのと同じノリで来ちゃぁいけなかったンだと反省もする。帰りがけに見つけた場内の配置図を見ると、先ほどの飲食棟以外にも飲食店ゾーンがあちこちに散在している。舌の肥えた市場のオッチャン達は、きっとそっちに行っているのかもしれないね。 「ゑんどう」中央市場店 大阪市福島区野田1-1-86大阪市中央卸売市場内 06-6461-7773
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