食菜「とく奈が」

tokunaga.jpgとんとんと地下への階段を降りてそのまますっと真っ直ぐお店の中へと進むと、右手の厨房を囲むようにL字のカウンターが廻っている様子が見て取れます。そう早い時間でもないのに、「とく奈が」の白木のカウンターにイチバンのり。ところが、一番奥から詰めて座るように諭される。誰もいないのだからどこでもいいじゃんと思いながらも仰せの通りに。本日のおすすめは「しまほっけと刺身サラダ」。他にも刺身サラダと組み合わせた「とろサーモン塩焼」「銀だら塩焼」「カキフライ」とある。それぞれに惹かれる並びのお品書きの、最後に書かれた「金目鯛の煮おろし」をいただきましょう。たっぷりと熱々のおろし汁の中央にとろんとした衣を纏った南瓜、椎茸に揚げ出し豆腐が鎮座しています。おろし生姜ともみじおろしをちょん載せて煮汁を含ませるようにしながら口に運ぶと、途端にご飯が愛おしくなる。茶碗のご飯そのものも、なかなかいい。肝心の金目はどこかと探ったら(ってことでもないけど)、同じく衣に包まれた切り身が4片ほど。ほろりと柔らかく、皮目から独特の香りを立てる白身におろし生姜の溶け込んだ汁とじゅるんとした衣との合わせ技に、ご飯をお代わりであります。気がつけば、さっきまでガランとしていたカウンターやテーブル席がすべて埋まっている。最奥から詰めて座れと云われたのは、じっくりとした人気が窺えるこの状況が日常的なことだからなのですね。 「とく奈が」 中央区銀座7-2-6トキワビルB1 03-5565-1717
column/02086