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フランス料理「グリルエフ」で かきソーテーとコンソメスープ
かつて界隈に住んでいたこともありながら未だ訪問叶わずの「日南」。
路地を入り込む「日南」の、その向かいにあるのが「グリルエフ」です。
至るところに欠けの見られる煉瓦の壁に蔦が絡まり、
ドア周りも知らぬひとを拒絶するような独特の雰囲気があります。
ドア越しに覗き込んで、テーブルに先客があるのに少し安堵しつつ、ドアを押し開きました。暗がりに古びた調度が如何にもレトロな味わいですが、傷んだ風合いはそのままに、一応清潔には怠りないように見受けます。厨房を臨むカウンター席へ。
創業当初から継ぎ足し継ぎ足しているというデミソースを堪能すべしという「ビーフシチュー」には何故か食指が動かず、おすすめ☆マークのついた季節メニューの「かきソーテー」をお願いしました。
ビストロ的には、”ソーテー”という表現になるかな。
決して広くない厨房で、ラードを掬い、牡蠣をソテーし、デミソースらしきものを少々、仕上げにワインとレモン、そして片栗で若干とろみを、という流れが見て取れます。
思わず、築地「小田保」の「かきバタ焼き」と比べてしまうと、牡蠣の身そのものが小ぶりで家庭的なのが残念か。でも、ソースの味の強みと牡蠣の身の味わいのバランスは悪くなくて、ご飯の進む洋食、という感じだ。
ん~、どっちと云われたら醤油バターのソテーに軍配だけどね。
「タンシチュー」はお休み中とのこと。
一緒にお願いした「コンソメスープ」は、鶉の玉子がふたつ投入されて、白身が溶き玉子状態になっている。
自信のコンソメだったらそんなことしないのだろうになぁ、とも云えそうです。
「グリルエフ」 品川区東五反田1-13-9 03-3441-2902