column/02037
フレンチもんじゃ&参鶏湯「あゆむ」
枕崎から上京して2年半振りに会った元同僚を誘って、ずっと気になっていた本願寺裏手、聖路加病院近くの「あゆむ」にお邪魔してみました。フレンチもんじゃってなんのこっちゃ?おまけにサムゲタン?が判明しようとする夜なのです。当日予約を済ませ、いそいそとタクシーで。暗がりに白くて大きな暖簾が揺れていました。1階板の間右手のテーブルへ。2階にも客間があるようです。「あゆむ」では3種のもんじゃに参鶏湯を組み合わせたコースがメニューの主体となっていて、アラカルトは、焼きそば、お好み焼きあたりに加えて韓国料理が並んでいます。「韓国のり」「キムチ」でビールを干していくと、ふと韓国料理のお店に来ているような気分になって「眞露を~」なんて云うところを麦焼酎に。ニンニク・マヨネーズでスティック系生野菜をいただいているところへ、ひとつめのもんじゃ「きのこ類のもんじゃ」がやってきました。女将さんが、エノキやシメジを鉄板の上に置き、2本のコテで叩き切るようにリズム良く刻んで、そこへ大きなバターの塊りを混ぜ込んでいく。大蒜も利かせ、もんじゃ的に外輪山を作ったその中に、陶器のポットから白濁した液体を流し込んでゆく。野菜から摂ったブイヨンなんだよぉと女将さん。フレンチのシェフだったという大将ならでは手管がいよいよ露になってきたゾ~。そこへなにやらゼラチン状の塊も入れている。そ、それはなに? あ、これはね、フォンドボーなのよぉ。オカアサン訊きました?もんじゃにブイヨン&フォンドボーなんですとぉ。はいどうぞ、ということで湯気のあがるもんじゃをいただく。おほほ~、”形式はもんじゃだけどお味はおフレンチのエッセンスで構築されてる感じ”が美味しくも楽しい。ふたつめは「ブロッコリーのもんじゃ」。ワインビネガーや檸檬の酸味がいい注し味になってるンだ。みっつめが「豚肉としょうがのもんじゃ」。豚と長葱とおろし生姜という、豚丼にでもできそうな組み合わせが、野菜ブイヨンによってジャンクなもんじゃとは正に一線を画するものになってる。卓上の4種の塩も、ちょんと使ってね。そしてクツクツと煮え滾った参鶏湯の登場です。クコの実や松の実と一緒に啜るスープ。じわわんと旨い。さすが「韓国国賓参鶏湯姉妹店」を掲げるだけのことはある? 鶏の身を解しながらふーふーしながらさらに啜る啜る。えへへ、鶏についた餅米なんかも口にしながら底の方まで完食です。以前は月島でお店をやってたそうなんだけど、築地のこの場所にゆきあたるまでのインターバルで韓国料理にもはまってしまい、韓国までプチ修行に行ってしまったのだそう。本場韓国でも研鑽を積んだ元フレンチシェフが編み出すもんじゃ。そう考えるとなんだか可笑しいけど、それが特異で美味しいサプライズを生んでいるのですね。
「あゆむ」 中央区築地7-10-12 03-5550-5566
韓国料理にハマッたフレンチシェフが編み出すもんじゃ!
私が夏、行ったときはウニのもんじゃが出ました。
ウニのもんじゃですか~。どんなことになってるのか気になっちゃいますね。
普通のもんじゃがつまんなくなっちゃいそうでちょっと怖いデス。