column/01914
そば処「兵六」
ずっと前から蕎麦屋だったような、別の居酒屋だったような…。どうも記憶が朧げで判然としないけれど、今日のお昼はサラリーマンの友・町場の蕎麦屋という風情の「兵六」さんに寄ることにしました。中央のテーブルに顔をつき合わせるように、既に多くのサラリーマンがそばを啜っています。お、女性陣も負けじと、髪を耳に挟んで箸を動かしているね。その円陣に混ぜてもらい、「ごぼう天せいろ」に「お替り半せいろ」を添えてもらうようお願いします。銀座「成富」あたりのごぼう天とはまた違って、薄くスライスした牛蒡を寄せるようにして揚げてある。面白いね~。カリっとしているところと、ニャチっとしちゃったところがあるのはご愛嬌ということで。肝心のそばは、うどんのコシとはまた違うしなやかな剛性が潔く、角が立ってシャキッとした心意気あるそばだ。いいね~。そば湯もほどよいトロミの中に滋味を窺わせてくれる。気取りの一切ないそば屋の、混雑振りのその訳が分かるような気がします。
「兵六」 港区虎ノ門1-4-7 03-3501-2818