そんな風に、どこか閉じたイメージがあることもあって、 今までほとんど利用してこなかったのだけど、 ある日何気なく、スモークがかったそのドアを引きました。
煙草の煙に燻された空気も覚悟した瞬間はどこへやら。 店内は、勤勉に掃除を重ねたであろう清潔感と整然としたテーブルの配置。 ホール担当のご主人のまめな性格が窺えて微笑ましい。
お注文はやっぱり、「ナポリタン スパゲティ」。 早速、カウンターの女将さんの手許から炒め音が聞こえてきます。
フォークで食べ易いように細かめに刻んだひと口サラダ。 世にフォークで食べさせて食べ難いサラダがどれだけあることか。
「Bell」のナポリタンは、しっかり炒めのシャツに飛ばない系。火の通ったケチャップがまったりと麺を包んで、こうでなくちゃねと素直に思う。 ピーマン、玉葱、マッシュルームにベーコンと、 彩る具材とそのバランスも正しいのではないでしょか。
面白いのは、銀紙に小分けして、 ピンクな甘酢漬けと缶詰パインが添えられていること。ナポリタンに合わせてというよりは、彩りが欲しいかもという気遣いか。
店の中からは、ブラインド越しに通りの様子がよくみえて、 暗く閉じた雰囲気ではないことが分かったので、 別のメニューもいただいてみようとランチ時。 「オムライス」をいただきましょう。
なはは、「オムライス」にもピンクと黄色が添えてある(笑)。 どうやらそれは、「Bell」のお約束のようです。
下側に折り込んだ玉子の表情とか、 ケチャップの上に載ったふたつのグリーンピースの配置とか。なかなか何気にフォトジェニックな「オムライス」。
どれどれとスプーンを動かすと、チキンライスの中にもグリーンピース。なかなか意外な展開はきっと、女将さんのセンスの発露でありましょう。
八丁堀すずらん通りの老舗喫茶店「Bell」。マスターに店名「Bell」の由来を訊いてみた。 すると、遡ることなんと60年! 先代が店を開業したのがジングルベルの頃だったから、らしい。 横文字を使ったりして、当時ではお洒落なネーミングだったンですよと。
口 関連記事: 小料理「かく山」で路地の気風いつもの定食カキフライと復興かき(12年06月)
「Bell」 中央区八丁堀2-19-6 [Map] 03-3551-4401
column/03278