どれも同じようにみえる、キャバクラ系と思しき店の客引きが多い。 どこか陰鬱にギラついているように映り、ちょっぴり遣る瀬ないような気分にもなって、 ホテルに戻ろうかと国分町通りを離れ、一本仙台駅寄りの筋にUターン。
すると、そんな国分町通りとコントラストを示すような風情を魅せる光景に出会いました。 店の幅目一杯の大判な暖簾に大きく力強く描いた「中華そば」の紅い文字。 額に置いた檸檬色の看板がヒトを誘う。 いいねー、と頷き合って早速、暖簾を払います。
紅いメラミンのカウンターの上には、ドンブリに盛った刻み葱。「一心」であれこれいただいたその足なので、 そこは素直に「末廣中華そば(並)」。 「末廣塩中華そば」にも(大)、(特大)と3段階の盛り具合が用意されています。
カウンター越しに受け取ったドンブリを手元に置いてまず、あれっ?と思う。明らかに黒いスープの色。 極薄いスライスのチャーシュー。
おおお、と思いながらスープを啜って、あれれ?とまた思う。黒いスープから引き上げたストレートな細麺を啜ってまた、おおお、と思う(笑)。 これはどう捉えても、京都のあの中華そばと同じ系統じゃん。
洛中の〆にと「新福菜館」の「中華そば(小)」を平らげるに同じく、 するっと美味しく啜れる感じも符合する。薄いスライスがスープに馴染んでいい感じのチャーシューのテクスチャもまた然り、だ。 どこが違うと探すより、どこが似てるか探したい感じが面白くもある。
お代を手渡しながらおずおずと訊いてみると、 ええ、その通り京都の店の流れを汲んだ店ですよとお兄さん。 そうか、そうなんだ。 仙台で京都の味に偶然出逢えた感じが妙に嬉しかったりなんかして(笑)。
昭和13年創業、駅前屋台中華そば、登録商標「末廣ラーメン本舗」。店内に掲げられていた品書きのパネルの写真を見返してみたら、 “京都屋台の中華そば”と副題が記されてるじゃん。 聞くまでもなかったことなのね(笑)。
仙台駅前にも店を構える「末廣ラーメン本舗」は、秋田に本店があって、 青森や盛岡、そして高田馬場にもその暖簾があるようです。
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「末廣ラーメン本舗」国分町店 仙台市青葉区国分町2-1-1 [Map] 022-748-7371
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