「よね津」のもうひとつの名物が、「名物鯨カツ」。 ころころとした一見丸いコロッケのよう。特製のソースにちょんとつけて齧ると、柔らかな牛の肉のような歯触り。 品のいい身肉の香りと溢れる旨み。 うんうん、美味しい。
菊の花の彩りが鮮やかなのが、「さわらの蓮根蒸し」。薄くスライスした蓮根に包むように蒸し上げた鰆の身は、甘くしっとりとして。 きゅっと傾けるお猪口がよく似合います。
前回同様もどうしても気になっちゃう、「四万十川ごりの唐揚げ」。さくっと軽妙な響きとともに口腔に広がる四万十の滋味。 腸の微かな苦みが酒肴としての粋を思わせます。
土佐煮か唐揚げかを選べる、定番の里芋の小鉢。山椒の葉をあしらった里芋を口に含むと、 とろんとした里芋のほの甘さに鰹出汁の風味が追い掛ける。 これまたオツなお惣菜であります。
〆にとあらかじめお願いしていた「土佐の棒寿司」。以前一月にお邪魔した際は、土佐清水の鯖棒寿司だったけど、この晩はカマスの棒寿司。 鯖の脂が深みを生む鯖棒寿司に対して、比較的あっさりした中に独特の風味が香るカマスの棒寿司もまた、いい。
土佐料理を基調にしてオツで端正な酒肴の品書き、和食「よね津」。ご主人が淡々とした調子で繰り出す器たちをただ素直に味わえば、穏やかな幸せが得られること請け合いです。
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「よね津」 目黒区鷹番3-4-13 笹崎ビル1F [Map] 03-3716-5991
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