乾杯をして、くっと呑んだグラスをテーブルに置いて眺めると、 さっき眺めた仕込み釜の図と「s’Guate」の文字。“s’Guate”というのは、”いいヤツ”、つまりは”よくできた麦酒!”ってな意味らしい。 やっぱり、あの、カリカリが気掛かりになっちゃうのよねーと、 お願いしたのは、シュヴァインスブラーテンSchweinsbraten。 カリカリとホクホクと香ばしいジャガ芋を添えてもらいます。余分な脂を適度に滴らせて除いた感じの身肉は柔らか。 もしやあっさりしてたりして~と思うソースは、意外にきりっと奥行き深くて、 どんどんと食べさせる。 そして、このお皿のクライマックスはやっぱり、カリカリの縁のところ。 あはは、ははは、笑っちゃうほど旨いのだ。 お代わりのグラスをもらって、それをラードのパテをあてにして傾けたりもして。ラードは、焼豚を作った時の副産物で、焼豚から滴った脂が冷えてできちゃったもの。 それにしては、なかなかイケる(笑)。 添えてくれているパンは、ビールの残滓を使っているらしい。
ワインのグラス越しにキャンドルの炎を覗んで遊ぶ(笑)。白のワインを注文いしたのは、これまたやっぱり気になるSpargelをお迎えするためなのだ。
すらっと端正なフォルムのシュパーゲルの上に、 短冊状におろしたパルメザンチーズをたっぷりと横たえて。どんなグレーターを使っているのかな。 ナイフを入れた白アスパラに、パルメザンを塗しつつ、 ソースパンのオランデーズも勿論添えつつ、口へ運びます。 ああああ、迸る香気と旨みはまさに大地の恵み。 いいなぁ、イケるなぁ、この時季にここに来れたことを感謝しなくちゃだなぁ。なんでもある日本なら食べれなくはないかもしれないけど、大きさを含め、日本産のホワイトアスパラとは明らかに違うのだ。 こうして、何処へ行っても「Spargel!」と叫ぶことになるのです(笑)。
カストナーの居酒屋にして麦酒蔵、「Kastners Schenke」。二階建てに越屋根を乗せたような外観なのは、 醸造所ならではのフォルムなのかもしれません。 1998年までは、ホイリゲ(その年の新酒を売るワイン酒場)Heurigenlokalで、 その後自家製ビールを提供する居酒屋へと変遷。 ザルツブルク最小のビール蔵直営居酒屋なのであります。
「Kastners Schenke」 Schallmooser Hauptstraße 27 A-5020 Salzburg [Map] 0662 / 871 154 http://www.brauhaus-austria.com/skloane/
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