縒れたクリアファイルには、「生蠣料理」の章がある。 「かきボイル 葱生姜和え」「かきと玉子炒め」「あま酢蠣」「かきチリソース煮」「かきの黒豆炒め」「かき醤油煮」「かきと豆腐うま煮」と8種類もの牡蠣料理が並んでいるではありませんか。 ああ、何故もっと早く気がつかなかったのでしょう。 麺類の中には、「カキそば」もあるじゃないのン。 そうかそうだったかと想いながら、牡蠣の天ぷらを所望します。 それは、サクっと香ばしそうな衣の表情で届きました。その向こうには、扉の硝子越しに駅前のロータリーを行き交うひとの姿と駅舎を望みます。 うん、こふいふ仕立てで牡蠣をいただくもの一手だよねと合点する。脱水ゆえか、フライとはどこか違った牡蠣の身の凝縮したあたりも愉しめるのだね。
他の牡蠣メニューもいただかなければと馳せ参じると、 牡蠣料理あれこれは、3月の頭あたりで仕舞いにしてしまったという。 ああ、まだまだ旨い牡蠣が流通しているはずなのに、何故なのでしょう。 そーお店のオカアさんに訴えてみてもはじまらないので仕方なく(笑)、 こちらの人気メニューのひとつと聞く「焼賣定食」をお願いしました。 二個足してもらって、六個の焼売定食にボリュームアップしたりして。 二階の窓からは、五反田駅のコンコースが正面にみえる。 こじゃれた駅の駅前だったらちょっとお洒落なスポットになっただろうけど、五反田駅前だもんなと独り言つ。 ちょっと不揃いな感じが如何にも手づくりしてくれているようで、悪くない。 どれどれと酢醤油で試してみるけど、酢の酸味が邪魔に思えて、醤油ちょっとと練り芥子ちょっとでいただくことに。 肉のアンの練り方が柔いのが難ではある。 妙な風味づけや化調な味足しのなさそうな、 素直かつ素朴なしゅうまい、といったところでしょうか。
別の夜には、「廣東葱油撈麺(廣東ローメン)」。大井町「芳園」のローメンを頭の片隅に置きながらお皿を迎えると、 案の定随分と違う風情。 和えソバには違いないけど、こちらはその字の通り、 あっさりした葱油の和えソバだ。 色々あるのね。
五反田駅前の老舗的廣東料理の店「亜細亜」。 (10年03月月初撮影) 店頭のサインにはsince 1947とある。 ほー、60年を越える歴史を此処に刻んでいるのだね。 日本オイスター協会では、 「カキ産地に光を!募金」や「復興牡蠣オーナー制度でカキ産地支援」も進めています。 牡蠣を食べよう!
「亜細亜」 品川区東五反田1-13-9[Map] 03-3441-7824
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