
京都バス案内のアプリでルートを調べて、
四条河原町辺りから市バスに乗り込む。
四条通りを東へ向かったバスは、
西大路四条で右折して、西大路通りを北進する。
横切る嵐電の雄姿を眺めて和んでから、
同じ嵐電の北野線の起点となっている、
北野白梅町駅のところでさらに右折したバスは、
今出川通りを東進します。
左手に北野天満宮の気配がしてきたら、
右手にいつぞやの豆腐料理「とようけ茶屋」が視野に入ってくる。
今日は此処ではなくて、もうひとつ先の停留所、
上七軒で市バスを降りましょう。
今出川通りから左手前に進むのが上七軒の通りと町並み。

上七軒(かみしちけん)は、
桃山時代から西陣織の隆盛も背景にして栄えた花街。
室町時代に北野天満宮の再建の際に残った資材を使って、
七軒の茶店を建てたことが、「上七軒」の由来だという。
通りにはそんな色香がまだまだ漂っているように感じさせます。
いい表情をした鰊そば「ふた葉」の様子を横目にしつつ、
その先の路地を左手に折れ入ります。
軒先と軒先がくっ付きそうな路地の奥。

そこに、「糸仙」の看板が見えてきました。
この路地にこの佇まい。
萌えないひとがいるでしょか(笑)。

廣東料理と示す暖簾の脇には、上七軒花街が用いているという、
五つ団子の紋章の入った提灯がさがる。
紋章は名物御手洗団子に由来するものであるらしい。
予約の名を告げて、カウンターの一席へ。

麒麟のラガーをいただいてから、廣東料理献立表を睨みます。
定番メニューは、1番の「叉焼(やきぶた)」から24番の「御飯」まで。
まず手元にいただいたのは、「春花捲(はるまき)」。
東京でいただく春巻きとは、装いが違ってる。

皮の畳み込み方が筒状で、それがなんだか愛らしい。
そして、やや細かめの刻んだ筍の食感がいい。
パリッとし過ぎない皮の歯触りも風雅な印象のする。
一本を4つ切りに包丁を入れているのも、
舞妓さんのおちょぼ口でも食べやすいようにとのことからのようです。
麦酒のコップ片手に、正面から受け取ったお皿が、
「古老肉(すぶた)」。

とろーんと飴色に覆ったあんが廣東風と云おうか京風と云おうか。
ぎゅぎゅっと揚げた豚が甘酸っぱいあんに絡まって、うん、美味しい。
よくみる酢豚と違って、彩り鮮やかな野菜などは一切入っていない潔さ。
豚以外の唯一の材料が、よく酢豚において話題になるパイナップルであるところが、
なかなか愉しいのであります(笑)。
両手鍋を振るったり、中華お玉を繰っている厨房の様子を
こうして間近の背後から拝見できるのは、
あるようでそうそうないことではないかしらん。

黒光りしている鍋の内面が印象的です。
と、そこへ「焼売」が蒸し上がる。

如何にも手作りな表情のシュウマイたち。
人差し指と親指とを丸めたサイズだと必然的にこんなサイズになるのだよなぁと、
嘗て一度教わった「魚菜学園」の教室を思い出す。
余計な混ぜ物のないお肉のお味。
香りの優しい軽やかな味わいに、あっという間に平らげてしまいます。
もう一品いただいてしまおうと、「乾焼蝦仁(小エビのチリソース)」。

たっぷりの刻み葱と仄甘いチリソース。
ヒリつくような辛さや塩っぱさとはベクトルの違う、あっさり感に和みます。
御飯貰おうかな。
デザートまで奢って、「杏仁豆腐」。

ゼリーの型から出てきたような白い小山の頂上には、
よく見るクコの実ではなくて、春菊の葉先のようなものが挿してある。
ふむふむ、杏仁粉の風味が濃厚で、美味しい。
ご馳走さまでした。
花街の色香の残る上七軒の、かつてお茶屋さんだったという建物で営むは、
廣東料理「糸仙(いとせん)」。

油や辛味、塩分の強さを抑えた、飾らない味わいが魅力的。
今度は、「炒飯」「炒麺」「叉焼麺」も試したい。
天神さんをお参りしてから何処かで油を売って、夕方の営業開始時間に。
混み合うので予約が必須です。
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「糸仙」
京都市上京区真盛町729-16 [Map] 075-463-8172
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