おずおずと扉を開けると、右手のカウンター席はやはり一杯。 でもなんとか、所謂”樽席”のひとつにお邪魔できました。 そこそこボディの白を所望して、受け取ったグラスを樽の脇の棚下に置く。 硝子面の棚には、値段を急ぎ書いたボトルがずらずらっと並んでいて、それぞれに産地や栽培者・醸造者、葡萄品種やdry-sweetとlight-heavyの軸に☆をプロットした札をぶら提げています。うん、それなりに分り易くて、訊くでもなくこれ頂戴、ってこともできるね。 グラスを手に、キッチン頭上の壁に貼られた黒板メニューを探索します。 黒板の右隅は、「低温長時間醗酵のフランスパン」にはじまるパンあれこれのラインナップ。 mi_wa@パンちゃんが通う理由のひとつがここにあるのだね。 どうしても気になってしまうのが、「豚肉と鶏レバーのパテ」。バゲットにのっけて、マスタードのソースをちょっと垂らしていただけば、 うん、イケる。 グラスをくぷっとして、パテonバゲットをかじかじっとして、の繰り返し。 いいぞ、いいな。 同じものをお願いしたら、そのボトルはもう売れちゃったとのことで、 今度はシャルドネの「LES BRUYERES」に。 こうして、どんどん捌けていくことは、開けたてのワインがグラスで呑めるのということでもあるね。 も一度黒板メニューを凝視すると、あるある、牡蠣メニューがあるじゃないですか(笑)。 ついでにワインもお代わりと告げると、白が順当かもしれないけど、魚介にも合う感じの赤はいかがです?となって、その赤を所望。ビオっぽく想う、くすんだ透明感の赤は、なるほど牡蠣にもぴたっときそうです。 そして、これが「カキとしいたけのオーブン焼」。逆さまに置いたどんこのような椎茸の傘のところにサラミを敷き、そこへ牡蠣を乗せてオーブンで焼いている。 あふはふと齧れば、牡蠣の汁と椎茸の汁とが湯気とともに混交して、えも云われぬ旨さ。 十分想像できたことだけど、牡蠣と椎茸って、よく合うね。
最後にもう一杯だけ、と赤のグラスをいただいて、ふーとさらに肩の力を抜いてみる。 すっとご馳走様して手を振る客、空いたカウンターに攀じ登る客、空いた樽席にやっとありつけた客。 入れ替わるお客さんたちが一様にどこか嬉々としているのがなにより、このお店の魅力を顕しているようです。
神山町・富ヶ谷の隠れ家ワイン酒場「AHIRU STORE(アヒルストア)」はもう、 隠れてられない人気店。お店の名の由来が、パン焼きもしているという妹さんの口が「アヒル口」だから、とか、アヒルに似た兄妹がやっているからとか、というどこかで読んだレビューは、ホントなのかな(笑)。 口関連記事: 和菜伊食「OH!NO!BUONO!」で 揚げPIZZA意外にイケる和伊の皿(10年12月)
「AHIRU STORE」 渋谷区富ヶ谷1-19-4[Map] 03-5454-2146
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