初めて降り立った青森は八戸の駅。
青森在住の
takapuに導かれるまま、
在来の八戸線に乗り換える。
観光で八戸を訪れても、なかなかこの愛称「うみねこレール」に乗ることはない、意外とレアな場面らしい。
とかなんとか云ってるうちに本八戸へ到着。
朔日町、三日町、六日町、八日町、十一日町、十六日町、廿六日町などという町名が並ぶエリアへ。
八戸のメインストリートは、この界隈なんだ。
ホテルを定めて早速、夜の町へと繰り出した。
「みろく横丁」を冷やかしつつ通り抜けて、やってきたのが「サバの駅」。
「道の駅」は全国あちこちにあるけれど、「サバの駅」はきっとここだけ(笑)。
明るく小綺麗な印象のカウンターが迎えてくれます。
以前は「みろく横丁」の一角に店を構えていて、この春に移転したのだそう。
ひとまず麦酒をいただいて、そっと出されたお通しの鯖が何気に旨い。
おおおっと引き込まれて見つめるメニュー
に、今夜はやっぱり鯖づくしにしなっくちゃと勝手に思い込む。
まずは、「船凍銀サバ刺身」。
ピキッと立った、切り口のエッジ。
とろんと細やかな脂を含んで、たっぷりと品のいい旨味を解いて消えていく。
なはは、鯖の刺身ってこんなに旨いもんだったんだ。
足の早さからか、サバと云えば〆鯖か塩鯖か、というのが通り相場になってる節もあるけど、そんな認識を翻す。
“船凍”で”銀サバ”だから、ってことなんだろね。
「サバの駅」ではすべて、「八戸前沖北緯40度30分海域限定の鯖」を使用しているそう。
わざわざ緯度まで謳って示す八戸前沖は、日本の鯖の漁場としては最北端。
鯖は、海水温が18度になると粗脂肪分が高くなるという。
例年9月に入ると海水温が急激に低下して、その海水温が日本一脂ののった鯖を育むンだ。
そんな「八戸前沖銀サバ」を堪能できるのは、目の前といってしまってもいい沖合いで獲り、すぐ水揚げした鮮度や、漁船の上で漁獲してすぐに瞬間冷凍した鮮度あればこそ、だね。
その銀サバの冷シャブなんてのもいいなぁと思いつつ、きょろきょろして目に留まったのが、
「サバの味噌じめ」。
味噌がじっくりと滲みて、旨味を凝縮・活性化。
刺身とも〆モノともまた違う魅力が芬々とする。
うひゃひゃ、こりゃ、堪まらん。
これにはやっぱり、日本酒かなぁ(笑)。
そこへお願いしていた「サバの串焼き」がやってきた。
魚を焼鳥的な串焼きにしたものって、余所で見掛けた記憶はない。
串にしたまま冷凍して解凍して焼いて、なんだかパサパサになっちゃってたらイヤだなぁとちょっぴり思った心配もなんのその。
威風堂々の串焼きの表情をみせる。
皮目ぱりっと、その裏側あたりから不足のない脂が滲み溢れてくる。
身肉の風味も活き活きとして、いいなぁ。
なはは、と笑っちゃうほど、イケる。
こりゃやっぱ日本酒かね~と品書きを見返すと、ドリンクメニューの中に何故か「イカスミ」、なんてフレーズがある。
イカスミそのまま呑んじゃう、訳じゃなく、イカスミと八戸の名水「がんじゃの水」を使用した世界初のお酒、八戸名物、と解説してある。
そいつぁーいただかなければいけませんねとお願いして待っていると、届いたのは予想通り、真っ黒い液体の入ったグラス。
恐る恐る啜ると、当然ながら生臭いなんてこともなく(笑)、さらっとした中にコクのある呑み口。
残り香に確かになんとなく、イカスミの風味が過ぎる。
ふと天井を見上げると、なにやら異物がぶら下がっている。
あ、漁の網を引き揚げるところで活躍する機械ですねーと訊くと、そーそーと応じてくれる大将。
鯖のなめろうはないみたいだけど(笑)、「サバのたたき」はある。
細かくせず、軽くタタイた仕立て。
うんうんと頷いて、黒い滴をペロリ。
そうか、「サバのつくね」っつーのもなかなかないよなぁと感心して、大将に声を掛ける。
素朴な味わいが基調であるところは、例えば鰯のつくねと同義だけど、サバらしい風味がふつふつとして、いいな、いいな。
つくねがあれば、天ぷらもある、ということで、それもなんと「サバ棒寿しの天ぷら」。
寿司を天ぷらにしちゃうのー?とちょっと怪訝に思いつつ、ハフっと咥えるとこれがあなた、不思議な旨さ。
サバの風味旨味に酢飯、酢〆の仄かな酸味が混じる。
これも、あり、だと思います。
そして、決して時間の経っちゃった棒寿司の処理のための料理じゃない、とも思うな(笑)。
そして、これも食べなきゃの噂の「サバンド」。
しめサバの凝縮した旨味とトマトの甘酸っぱい風味と取り合わせが意外な好相性で、
なるほどなぁの逸品。
そして「サバンド」に並ぶ新機軸、登録商標「サバーグ」なんて裏メニューもあるらしい。
他にも
まだまだ、八戸が誇る「八戸前沖北緯40度30分の鯖」を活かした酒肴がある。
「しめサバ」「サバの棒寿し」「サバの味噌煮」「へしこ」は勿論のこと、「サバのづけ」「サバの竜田揚げ」「サバ出しせんべい汁」「サバ大根」「サバマリネ」などなど。
おまかせ「サバ料理コース」もあるぞ。
「駅」らしく、切符の姿のサービスチケット
を受け取って、ご馳走さまと振り返る「サバの駅」。
八戸来たなら寄らない手はない、そう思う。
全国幾千万人(?)のサバ・ラバーたちには、きっと垂涎。
漁船に載せた看板が目印だ。
「サバの駅」 八戸市六日町12大松ビル1F
[Map] 0178-24-3839
http://hachinohe-sabanoeki.com/
column/02880 @3,900-
まさぴ。さま。
烏賊を呑み、鯖を食したのですね。。
刺身や味噌じめはもちろん、串焼きがまた美味しそうです!
いいところなんですね、八戸。。。
Re;ららさま
ご当地でいただく、ってのはやっぱりいいもんですね~。
鯖の刺身って食べたことないかも、でしょ。
まだまだ八戸の魅力の本懐は分からないので、また行く機会がないかなぁーと思ってまふ。