グラドがあるのは、イタリア共和国フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州ゴリツィア県の南端辺り。
しばしばブーツのフォルムに喩えられるイタリア国土であるけれど、グラドがあるのは、ブーツではないところ。
イタリアの北東部、ベネチアVeneziaよりも更に東寄り、スロベニアとの国境も程近いアドリア海の海上にある。
ラグーナに向けて突き出した先端部の狭い土地に石造りの街が整然と広がる様子が兎に角素敵。
海に囲まれたこんな街で暮らしたいな、なんて想う気持ちが沸き起こってきても何の不思議もありません。
グラドの街にあって一番印象的な光景は、家屋と家屋の間から覗くサンテウフェミア聖堂Basilica di Sant’Eufemiaの時計台。写生の対象にもちょくちょくなりそうな、そんなロケーションだ。
教会の中庭には、附近で発掘された遺跡物がひっそりと飾られていた。屋内に閉じ込めないで、外壁に鏤めるように固定したり、回廊に沿って並べるスタイルが構えずにいていい。
ローマ時代のものたちでありましょか。
グラドの街の目抜き通りのひとつと思しきグラデニコ通りVia Gradenigoからも時計台の先端あたりを見上げることができる。通りには、レストランやカフェが散在していて、なかなかいい雰囲気なのです。
その中の一軒、Osteria「Da Filomena」で小休止と洒落込みましょう。
路上に面して広げた傘の下でグラスを傾けるデイリーな白ワインがなかなか美味しい。入口の脇に佇むオッチャンは如何にも毎日そこに座っていそうな雰囲気芬々で羨ましい(笑)。
冬の寒さが遠のけば、オープンエアの椅子に挙って繰り出す。
そこがひと味旨くて心地いい場所なのは万国共通なのでありましょう。
夏の海辺の街の開放感が加味されてくれば更にハッピーな憩いの場になるンじゃないでしょか。
グラドの街の目抜き通り、
グラデニコ通りに面して朗らかなOsteria「Da Filomena」がある。元々は、Filomenaオバサンが営む居酒屋であったのだけど、当のオバサンは既に引退されているんだそう。
その後を引き継いだひと達がそれまでの店名を替えることなく今に続けていることになる。
街のみんなにじっくり馴染んだ店だからこそ、それが相応しくて自然なことなんだろうね。
Osteria「Da Filomena」
Via gradenigo 7 34073 Grado Italia [Map]