単にニチダイと云えばよいのに、わざわざニチゲイと自らの所属大学を呼ぶ輩に何故か一抹の恥ずかしさを憶えたりすることもある(笑)。
そして、なんといっても思い出深いのは、積もる程に雪の降る夜のこと。
「吉之助」という創作居酒屋で一献傾けた後に、コンパ最後の店「江古田コンパ」に寄ったこと。
フロアの両サイドにカウンターがあるという独特の造りのバーには、昭和の匂いがたっぷし。
カクテル「江古田の夜」から「ABSENTE」、つまりはご存知「アブサン」を舐めたりしたのでありました。
久方振りに降り立つ、江古田駅南口。
駅前からちょっと横丁に入れば忽ち、闇市があった頃を彷彿とさせるような斜めに交差する狭い道々に潜り込むことになる。線路際方向へ何気なく歩いた所で早速見つかるのが「生姜焼き専門店」の文字と不思議なイラストの看板だ。
以前はラーメン店であったであろうことを想像しながら小さな券売機の前に立つ。
まずはやっぱり、基本形と思しき「生姜焼き定食 醤油ダレ」のボタンを押しましょう。
フライパンで炒め煮るようにした豚バラ肉から湯気が上がる。タッパーに大量に用意されたおろし生姜がたっぷりとトッピング。
ジンジャーしっかり利いた生姜焼きが好みですもの、こんな仕立てが嬉しくない訳がない。醤油タレの塩梅もベタっとせず、調子がいい。
千切りキャベツもたっぷりもまた好ましい。
一気にご飯と一緒に平らげてしまいます。
それにしても、突き詰めるだけ突き詰めた生姜焼き一本勝負かと思っていたら、こんなにバリエーションがあるとはちょっと驚いた。
そこでふたたび足を運んだ江古田の南口。
今度は「生姜焼き定食 味噌ダレ」のボタンをポチとする。
「ポテトサラダ」もいただきましょう。
見掛けはほとんど変わらないの確かめてから、おろし生姜をちょんと載せて、おずおずと口に運ぶ。ガツッと味噌風味が利いている、というよりは生姜との相乗効果のためにバランスをとった感じの味付け。
味噌でも生姜でも、どちらが主でもない仕立ては何気ないけど、あれこれ研究した結果であるようなような気もする。
食べ手が生姜を利かせたければ、おろし生姜を上手く使えばよいのだね。
「生姜焼き定食 カレー風味」は肉大盛りで。生姜風味とカレー風味がそもそも似合わない訳がない。
こりゃズルい!なカレー味の底に生姜の風味や辛味が控えていて、文句なく旨い。
うーむ、改めて、こりゃズルい(笑)。
学生街江古田の南口すぐの処に生姜焼き定食専門店「笑姜や」がある。この界隈で過ごし暮らす学生たちは重宝しているに違いない。
店主が、決してリッチではなかった学生時代にこんなお店があったら良かったのに!なんて想いから実現したのではないかと想像したりする。
出来ることなら、店名が示すような笑顔と清潔なユニフォームが印象づける朗らかさを増すとなお良いのではないでしょか。
帰りがけに「江古田コンパ」の前までやってきた。開店時間は過ぎているはずなのだけど、シャッターが開く気配がない。
廃業しちゃったってことはないですよね、ね。
「笑姜や」
練馬区栄町4-10 [Map] 03-3557-0313