column/02648 @900
ラーメン「いいちょ」で 背脂の澄んだ魅力塩ラーメン
烏丸線の北大路駅から霧雨の中歩いて、賀茂川を渡り、
そのままずーっと行けば一乗寺界隈という北大路通りの府立大学前バス停あたり。
斜めに入り込んだ路地に灯る黄色いスタンド看板。
そして赤提灯。
そこには、「幻の味 いいちょ」と記されています。
幻の味、気になりますねぇ(笑)。カウンター一番奥に腰を据えて見上げる品書きには、「ラーメン」「塩ラーメン」「みそラーメン」、そして「やきめし」とある。
塩に味噌ということは、「ラーメン」は醤油仕立てなのでしょう。
背脂使いで塩ラーメンというのは、およそ食べた記憶がないなぁと「塩ラーメン」の並を所望、「やきめし」を添えてもらいます。
届いたドンブリのスープは一見、白濁した博多系の豚骨のよう。でもよくみると、一面に透き通るように白い背脂が覆っているのが判る。
啜るスープがなかなか、いい。
どんな工夫があるのか、背脂にベタつくようなしつこさがなく、もちろん臭みなんて微塵もない。
澄んだ印象さえ抱くその不思議。背脂が甘さに似た程のよいコクを含ませていて、きりっと塩が強いせいもあるかもしれないけど、コッテリとは違うベクトルのスープになっている。
ほほ~、と腕組感心。
ストレートな細麺とも極薄スライスのチャーシューとも相性バッチリだ。
トータル塩分量が気になるものの(笑)、濃い味仕立ての「やきめし」もペロンと完食。
京都にも焼き飯を拵えてくれるラーメン店を幾つか思い出す。
さらには洛中にいながら、元祖半チャンラーメンの店「さぶちゃん」にまで想いを馳せたりして。
でも「さぶちゃん」のチャーハンより、正直こっちのチャーハンの方が気が利いてる気がする。
自分ランクで、も一度食べたい塩ラーメンを供する店の最右翼にいきなり登場した下鴨「いいちょ」。
幻の味かどうかは別にして、
京都が醸すラーメン文化の奥行きにまた触れちゃった気がして、ニンマリです。
口関連記事:
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「いいちょ」 京都市左京区下鴨東半木町70-10 075-711-0141