酔っ払いたちは、夜中の祇園あたりを仕上げの蕎麦うどんを求めて彷徨い歩く。
四条通りの「おめん」はとっくに終えているし、建仁寺寄りの「萬屋」はちょうど閉めるところだという。
当て所なく花見小路を突っ切って、裏道に入り込む。
ぐるっと巡ったところで、苔色の暖簾をみつけました。
一瞬鼻を利かせると(?)、なんだか良さ気。
それいけ、とばかりに突入です。
座ったカウンター脇の壁には、「本日のそば 鳥取県日南産」と張り紙がある。
鳥取にも日南があるのだなぁとか蕎麦の産地をこうして明示してくれるのは潔くも頼もしいなぁとか、お酒の廻った頭で朧に思う(笑)。
うん、お品書きの並び
も潔し。
「つけとろろ!」と叫ぶ同行の氏を横目に、シンプルに「ひやかけ」をお願いしました。
ズズズ…。
どんぶりの汁を啜って、ハッとする。
冷たい口当たりが心地いいのもなによりも、いい出汁でてるでてる。
真っ先に脳裏に浮かんだのは、あの銀座「流石」の「ひやかけ」。
啜る蕎麦も、有り体でない蕎麦粉の滋味をふつふつとして、いい。
なんだかこんな夜半に酔っぱらって訪ねるのが申し訳ない感じ。
本陣の「にこら」といい、こちらといい、いやはや、蕎麦はやっぱり東京でしょ、なんてますます云えなくなりそうだ。
口関連記事:
手打ち蕎麦「流石」で ひやかけそばなくなるのが口惜しいつゆ(06年08月)
蕎麦屋「にこら」 でほろほろしみじみ聖護院かぶらそば(08年02月)
「三文銭」 京都市東山区祇園町北側347みきビル1F 075-525-7101
column/02647 @1,000