天満橋の裏通りにある「香月」でランチです。
石挽き自家製粉生粉打ちのそばと「黒豆うどん」と呼ぶうどんが自慢のお店らしい。
おひる時のピークが遅めなのか、先客のないところを奥のテーブルまで。
横にする壁は粗めに塗った土壁で、鳥獣戯画的筆絵が描いて
あります。
はてさて、そばかうどんか、どちらにしようかな。
そう悩み、十割そばも気懸かりなものの、一旦その匂いを嗅いだらもうあかん(笑)。
そうカレーの香りがどこからともなく洩れ漂っているのです。
おばちゃんに「ハーブカレー!」と伝えると、そばかうどんかも訊かず厨房に戻りながら「ハーブ~」と伝えている。
まぁ、うどんだろうなぁと高を括って待っていると、
さっきよりもより明確なカレーの香りと一緒にドンブリがやってきました。
ターメリックな気配は少な目な、濃いぃ茶褐色の汁。
あきらかに含むとろみ。
そして、やっぱりうどん。
箸の先をそこへ差し込んで、むんずと掴み上げる。
たっぷりとカレー汁を纏い上げるうどんには黒い粒子が一面に見える。
カレーに含んだ砕いた胡椒かなにかかと思いながら啜りつつよくみると、纏うカレーの中のものではなくて、うどんそのものに練り込んだもの。
ははぁ~、これが「黒豆うどん」かぁと改めて啜れば、力強い量感とコシツキが濃厚なカレーと競うようにバランスしているのが分かる。
そのカレー汁はというと、辛さあとから追い駆ける系スパイシー。
月桂樹の葉が見つかり、その上を幾多の香りが交叉していく。
じっとみると、粗くミルした粒々がたっぷりと窺える。
強いとろみの印象からか、香りが開いていく情景はややもっさりした感じではあるけどね。
「ハーブカレー」にしてしまうと「黒豆うどん」自身の風味あるやなしやは判らないので、それには温かい「ぶっかけ」あたりを啜るといいのかもしれないな。
心地いい汗に、炎天下にもカレーうどんが似合うのねと、
そんなことを思いながら振り返る天満橋「香月」。
後学のために、そしてちょっと拘った応答を貰えるのではないかと期待して「ちなみに、使ってるハーブって主にどんなのです?」と訊いたら、わざわざ厨房に声かけてくれたにもかかわらず「ハーブはハーブよー。ローレルとかシナモンとかそんなんよー、うん」というヨウワカラン的ちょっと残念なお応えだったことは、内緒です(笑)。企業秘密だものね。
「香月」 大阪市中央区船越町1-1-11大手前ハウス 06-6949-0061
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