新富の裏通り。
イタリアンと思しき一軒は、階段にして6段ほどGLより上げた床面に並ぶテーブルたちが視線を誘っています。
目線の高さ丁度にテーブルの食器たちが置かれる。
偶然か意図したものかには別にして、開口の大きな窓からそんな様子が窺えるのです。
晴れた日に映えるブルーのクロスが明るい店内。
カウンターバックや脇の棚には、そんな要求をするオヤジもいるのでしょう、ウイスキーやリキュールに混じって日本酒や泡盛のボトルも置かれています。
ランチは、ABCと値段の同じパスタが3種類。
この日は、「ベーコンとポルチーニのトマトソースパスタ」に「ビーフシチューパスタ」。
バジル好きが選ぶのは、「生ハムとセミドライトマトのジェノバソースパスタ」だね。
前菜の小皿のプチ充実が嬉しい。
白をひとつ、かなんか云いたくなる(笑)。
そしてパスタのお皿が届きました。
少し乳化させるようにしたジェノバソースの薄緑に麺が滑る。
生ハムの塩っけと合わせ食べる麺。
ドライトマトの甘酸っぱさと啜る麺。
それぞれに悪くはないけれど、お皿全体で考えると、バラバラというか意図が解らないというか。
うん、悪くはないのだけどね。
他のお皿はどうなのだろうと気になって、後日選んだのが「温泉玉子と明太子のパスタ」。
和風パスタのお約束、刻み海苔を絡ませながらややクリーミーな明太子ソースのパスタを啜る。そこそこにぴり辛いのを温泉玉子で和らげつつコク味にするってぇ寸法だ。
うん、悪くはないけどやっぱり、出来れば小さなときめきが欲しい!って感じかな(笑)。
ふと、オープン当初はもしかしてキリッとイタリアンで、
和風パスタも泡盛のボトルもなかったんじゃないかなぁなんてことを思う。
仮にそうだとすると、それをカジュアルにさせたのは、客筋の要請かはたまた店主・スタッフの気分か。どちらだろう。
「il DESTINO」 中央区新富1-9-4ファンデックス銀座ビル1F 03-6222-0890
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