鰻蒲焼はそれだけで旨いから、ひつまぶしの三段活用はなくてもいいんじゃないかなぁなんて思ったり。
「味仙」の台湾ラーメンのインパクトは強烈だけれど、一度でいいかなぁと思うのは「二郎」を卒業しちゃった身だからかなぁとか(笑)。
ただ、気の利いたイタリアンが点在していたり、「ままや」「おっこん」といった料理屋や矢場の居酒屋「大江戸」なんかは決して悪くない。
そうそう、居酒屋情緒からいけば、伏見の老舗「大甚 本店」や名駅の「のんき屋」あたりにも複数回足を運んでる。
京都大阪や東京の幅と奥行きがどんだけ広くて厚いんだってってことかもしれません。
名古屋名物と謳うもののひとつに、手羽先の「世界の山ちゃん」がある。
名古屋の街中にいるとここにも此処にもとあちこちで創業者らしき御仁のイラストが入った看板が見つかる。
そのうちの何軒かに入ってみたものの、正直なところこれも”名物に旨いものなし”ってことなのかなと思ったりした(笑)。
でもそれとは違う手羽先の店があると知って向かったのが、ボストン美術館のある金山駅です。
店の名を「風来坊」。
気風のいい力強い揮毫の暖簾を潜ると小ざっぱりした店内と気の置けない風情のオバちゃんたちが迎えてくれます。
燗のお酒をいただいて、まず迎えたのが「ささみ刺身」。さっと霜降りした表皮の中から活き生きした鶏の仄甘さが愉しめます。
そしてやっぱり「手羽先唐揚げ」は外せない。うんうん、某店の出汁殻みたいな手羽先ではなくて(笑)、骨を包んだ身がたっぷり味わえていい。
味付けも過度な調味料を思わせない自然な仕立てのタレがいい。
初鰹には早過ぎる?とかなんとか云いながら「かつおたたき」。しっとりと澄んだ紅色に炙られた桜色が縁取る鰹。
さらっとした仄かな酸味の中に旨味が花開いてゆきます。
当然ながら春限定の「新竹の子の天ぷら」もいただきたい。柔らかな筍の歯触りと滴るような甘さ香りは、春先の贅沢のひとつですね、オバちゃん。
「砂肝串焼き」は、ちまちましない大振り切り身でやってきた。塩加減もよろしく、独特の歯応えも美味しさの大事な要素もひとつです。
んじゃ下足も焼いてもらおうと「いかげそ塩焼き」。このぶつ切り具合が、串焼き屋さんのそれでなく、料理屋さんの串を思わせていいんだ。
しまった、鶏料理もまだまだあるんだったと「手羽餃子」。手羽の皮の中にこれでもか!ぐらいに餃子あんを押し込んである。
芳ばしくもジューシーな皮目の旨味と餃子あんの渾然が不味かろう筈がありません。
ちょっと呑み過ぎのご馳走さま(笑)。
元祖手羽先唐揚げを謳う「風来坊」の金山店にやってきた。「風来坊」は、小倉出身の創業者が興した店で、いまや名古屋市内を中心に多くの店舗元擁しているらしい。
鶏料理の項には、店の起源でもあるらしい「ターザン焼き」なる一品とか「しもふり」なるお題もある。
またお邪魔しなくっちゃだ。
「風来坊」金山店
名古屋市中区金山4丁目1-14 [Map] 052-331-8581
http://www.furaibou.com/