佃大橋の西詰めに向かう通りで、
“洋食”と小さな赤い文字で記した、
白い暖簾を掛けていたのが、洋食「ながおか」。
すっかりご無沙汰しているうちに、
築地に移転しているとの噂を聞きつけました。
確かに、あの辺りも所々に空き地があって、
纏まった土地にしてビルでもおっ建てたい欲望が、
云わずも漂っていたのを憶えています。
移転先は、デニーズ築地店の裏手すぐ。
緑青色の古びた家屋の角を曲がったその隣。ここは以前、天むすのお店があった場所ではないかしらん。
そこに一軒まるごと新しいお店が建っていました。
店内は、テーブル席が都合16席の小じんまり。早速ランチメニューを拝見すると、
嬉しいことに「カキフライライス」がその筆頭にある。
ここでそれをお願いしない訳がありましょか。
カキフライは、移転前と同じようにステンレスの楕円皿でやってくる。定番定型の5つ盛りであるところも、
蜜柑の半裁が添えてあるところも変わらない。
マカロニサラダのあたりを口開きに、檸檬を搾って、いざいざ。
火傷しないように気をつけながら齧りつく。うんうん、加減よく火が入った牡蠣の滋味の豊かさが素直に伝わってくる。
その揚げ口に気取りのない熟練を思います。
訊けば牡蠣は、三陸・宮城のものだそう。
霧雨の降るおひるには、「ジンヂャーライス」。
これもまたGingerちんが食べていたのとおそらく寸分も変わらない。厚手の豚肉に、短冊というか拍子木というか、
長さが保てるように切った玉葱が特徴のひとつ。
それが火を入れ過ぎてシナっとしないように炒めてる。
そして、おろしたての生姜をたっぷり使っているのがよく判る、
ジンヂャーの利かせっぷりがもうひとつの特徴だ。
旨いね、美味しいね、ご飯が進んじゃうね。
ところが、改めてランチメニューを眺めるとそこにはあの麺料理がない。
ということで、夕餉の時間にお邪魔してみました。
夕餉の時間のメニューには、きちんと載っている「スパゲティナポリタン」。
千切りキャベツのみが一緒盛りというパターンも意外と珍しい。
そこに、荏原中延「ふじかわ」同様、味噌汁が添えられます。
フォークの先をくるっとして、いただくナポリタン。ああああ、これは、うまひ!
実は、客席から厨房のご主人の背中がちら見できていて、
お願いしたナポリタンを炒める音やフライパンをガコガコする音も聞けていた。
それで、ずっとずっとずっと炒めてくれているのを承知していたので、
やっぱり!と膝を打つよな出来映えなのであります。
焦げる寸前くらいまでのよく炒め、
やはりそれが、旨いナポリタンの要諦なのでありますね。
成る程、ランチメニューから外した理由も判るような気がします。
ナポちんの感想聞きたいなぁ。
湊から裏築地の一角へと移転して新装なった下町の洋食屋「ながおか」。在り来たりにも映るニッポンの洋食を、
当たり前のように丁寧に拵えてくれています。
口 関連記事:
洋食「ふじかわ」で 生姜焼きナポリタンかきフライ町の洋食今日も(14年11月)
洋食「ながおか」で 破れた衣の揚げ色がソソるカキフライ(08年02月)
「ながおか」
中央区築地3-4-6 [Map] 03-3552-7089
ここの再開は本当に嬉しいですw
Re:puzzさま
ですね。
移転して反って行き易くなりました。
今度は素朴に、「カレーライス」あたりをいっときたいと思うとります。