
夏大好きな我等が村っちゃんこと村田和人が、
pf友成好宏と恒例の海の日に催したのが、
鎌倉歐林洞ギャラリーサロンでのコンサート。
今年もイケてる夏の曲たちで、
盛夏の訪れを知らせてくれました。
そんな鎌倉からの帰り道。
乗り換えた京浜東北線の車窓に映った鶴見の駅。
その時にふと思ったのは、
鶴見線って乗ったことがないなぁということでした。
そんな一瞬を思い出させてくれたのが、ご存知つきじろう師匠。
鶴見線に乗って行く海芝浦駅の光景を日記に綴っているのを読んで、
そいつは素敵!と、出掛けるにいい日和を窺っておりました。
そんなこんなでスカっと晴れた秋の日に。
鶴見駅で乗り換えて、海芝浦駅へと向かいます。
鶴見線は、扇町駅に行く本線、大川駅に行く支線、
そして海芝浦へと行く支線とがあって、
本数も少ないので、注意が必要なのです。
鶴見から、国道、鶴見小野、弁天橋、浅野と経て、
新芝浦では既に海の気配の旭運河沿い。
そして、辿るレールが終点、海芝浦駅へと至るのが見えてきました。

左手すぐに、海の色が広がっています。
車窓にみるは、ホームの手摺りの先すぐにある京浜運河。

対岸にみえるのは、扇島の東京ガスや昭和シェルの工場設備群のようです。
そしてその先には、東京湾に繋がる京浜港。


左手を振り返れば、発電所のような建物が遠く望める。
「海に一番近い駅」として「関東の駅百選」に選ばれているというのが、
至極当然のことのように思います。
被写体の定番には、駅名標と時刻表。


海縁らしく、金属が塩害を受けるのがいい味わいになっています。
新芝浦駅、海芝浦駅ともに東芝の敷地内にあるそうで、
海芝浦駅の改札の先には、東芝の関係者以外は進めない。
然もありなんと思っても、そこは天下の東芝さん。
自らの敷地の一部を開放して、「海芝公園」と呼ぶサンクチュアリを設けてくれている。
海芝公園の手摺り沿いに佇めば、煌めく景色。
遠くに大黒埠頭へと渡る斜張橋、鶴見つばさ橋の三角形がふたつ望め、
その前を貨物船やプレジャーボートが滑り行く。
なんだかとっても清々しくて、晴れやかな気分にさせてくれます。

海芝公園のベンチでお弁当に昼酒と洒落込んだ、
つきじろう師匠の気持ちがよく判る素晴らしい場所。
この京浜運河沿いは、夜ともなれば、
ライトアップした工場を含む夜景を目当てに訪れるひとも多いようです。
鶴見へと折り返す電車までの20分程をたっぷり楽しんだ後、
途中下車したのが、浅野駅。

本線へと大きくカーブする場所にホームがあるため、
ホームと電車の間が広く開いてしまっています。
ちなみに、鶴見から向かう車窓で認めたのが、こんな素敵な光景。

レールが幾つも交叉したり、うねるようにしている様子が、
何故だか大好きなのであります(笑)。
右へ曲がり行けば海芝浦、左を真っ直ぐ往けば扇町方面で、
どちらのホームも同じ浅野駅。
ホームをもう少し鶴見寄りに作れば、
こんな素敵なことにはならなかったのかもね、なんて思います。
素敵と云えば、のんびりした浅野駅のホームでは、こんな光景も。

日向ぼっこしていた猫が、せっせと毛繕いをしていました。
浅野駅の本線側のホームを眺めつつ、
踏切を渡って首都高の横羽線方向に向かいます。

撮影スタジオなんかがあるものの、
その道路はまだ東芝の敷地内であるようです。
横羽線高架下の入船橋という交叉点を、
何処にでもありそうな名前だなぁと呟きつつ通り過ぎて、
仲通商店街という一角にやってきました。

ひと通りは余りなく、
住宅の間の所々にシャッターの閉まった商店が散在している感じ。
沖縄出身者やその二世三世が多く暮す町として知られているようです。
そして、静かな界隈にあって、ひとを集めて賑やかなのが、
うちなーすば「ヤージ小」。

「ヤージ小」と書いて、「やーじぐゎー」と読むのです。
人気があるようで、二階にも客間があるというのに、席が空くまで暫し待機。
一階のテーブル席へ相席でお邪魔します。

きょろきょろして振り返った壁に、
錚々たる沖縄料理あれこれのご案内。
なんちゃって沖縄料理店ではきっとこうは参りません。
向かいのオジさんが食べている「ナーベラ定食」も気になりつつも、
「フーチバ」をトッピングした「ソーキそば」に「ジューシー」を添えてもらいます。

ででーん!と効果音が聞こえてきそうなソーキの威容。
そして、フーチバ(よもぎ)の葉もたっぷりと載っています。
大きなソーキを避け避けスープを啜るとそれがまたあなた(笑)。
業務用のスープなんかじゃ絶対再現できないような、
凛として豊かなコクと旨味。

丁寧にひいた豚骨スープに鰹の出汁が掛け合わさって、
重層的で奥行きのある汁になっている。
大口開けて齧るソーキの滋味と要所で顔を出すコラーゲンなところとがいいなと、
またスープをひと啜り。
そして、そこにフーチバの青い苦味が色を注す。
フーチバの苦みにふと、遠く石垣島の「栄福食堂」の「やぎそば」を思い出していました。
つるっとして粉の旨味を思わせる平打ちの麺もよろしからずや。

茹で置き油塗しのポソポソはなく、それでいてスープにもよく馴染みます。
もしや自家製麺ではありますまいか。
ハラハラとして、米粒ひと粒ひと粒を薄く覆う油っけが嬉しい感じ。

豚の出汁でしょか、
じっくりと潜んだ旨みにうんうん頷いては、
どんぶりのスープを追い掛けて啜ります。
ああ、旨かったです、満足です、ご馳走さま。
横浜市沖縄区とも呼ばれるらしい鶴見の仲通り商店街に、
沖縄料理の店、うちなーそば「ヤージ小(やーじぐゎー)」がある。

似非な気取った沖縄料理店がこっ恥ずかしくなるような、
そんな沖縄地元感が構えることなく存分に漂っていて、いい。
「ヤージ」は初代の屋萓(やぎ)さんから。
「グヮー」は”分家”とか”~ちゃん”という意味であるらしい。
今度は、島南部・八重瀬町にある沖縄そばの店、
「屋宜家(やぎや)」のカーラヤーの赤瓦を思い出しました。
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やぎ汁「栄福食堂」で 塩振り喰らうやぎ肉フーチバ香るやぎそば(06年09月)
「ヤージ小」
横浜市鶴見区仲通3-72-2 [Map] 045-506-5754
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