
残念ながら閉店してしまった、兜町「歌舞伎そば」。
今は廉価なパスタハウスが面している交叉点の斜向かいにあったのが、お気軽イタリアン。
でもそこもいつの間にか閉めてしまったなぁと思いつつ歩いた夏の終盤戦。
木目あしらいの改装がされたファサードに開店告知のポスターを見つけました。
今度は、つけ麺・らーめんのお店になるようです。
オープン日に様子を眺めてみると、
成る程、気になっていたひと達が集まって行列を作ってる。


建物の二階は、九州料理の「五島伊勢丸」。
陽射しの色合いと半袖姿にそんな頃のことであったなぁと思い出します。
行列を避けるように、ちょっとズラしたタイミングで訪れました。



案内されたのは、カウンターの一番奥。
右側をどんぶりを手渡し受け取るスペースにしている関係から、
そこだけ両サイドに仕切り板が立っていて、半独立ブース状態になっている。
なんだか「一蘭」の「味集中カウンター」を思い出して、笑ってしまいます(笑)。
壁には、長野と大阪を拠点にする柄木田製粉の小麦粉袋をディスプレイ。
厨房の中を見上げれば、圧力釜らしき寸胴の上部が覗けます。
麺匠「たか松」の一番のウリは、つけめんにある。

冷水で〆る笊の音を聞き乍ら待った後、
麺と汁、「鶏魚介つけ麺」ふたつのどんぶりを受け取りました。
茶褐色にも映る麺は、如何にも全粒粉使用であることを示してる。

ああ、この仕立ての麺は以前何処かでと思い巡らすと、
京都は高倉二条のその名もそのまま、麺や「高倉二条」を想い出す。
これでもかというほどのツブツブ具合は、よりパワーアップした仕立てにも思う。
「高倉二条」の影響を受けてたりして~、なんて考えていたら、
どうやら「たか松」の本丸は四条烏丸界隈にあるらしい。
鶏と魚介のつけ汁は、今となれば少々凡庸とも云えそうだけれど、
なんだかんだ云ってもう3度もいたただいている(笑)。



貼紙に認めたご指南に従って、途中で刻み玉葱を投入したり、
麺に酢橘を搾りかけたりして味わいの変化を愉しみます。
ポットから割りスープを注ぎ、奥に用意された電子レンジで温めたスープに卓上のあおさ海苔を投入して、結局綺麗にスープも飲み干してしまうのです。
そして、「たか松」のもう一方の定番が、「塩鶏らーめん」。


目の前の大型圧力釜でゴトゴト炊いたであろう鶏出汁をしっかり乳化させた、
そんなタイプの基本形のようなスープ。
ベジポタっぽい粒子があるような不思議な舌触り。
塩辛く感じさせないのが好感も、麺はもっと工夫できそう。
茅場町の通称さくら通りの角っこに石臼挽全粒粉つけ麺の麺匠「たか松」。

時々思い出してはお世話になりそうな、そんな予感がいたします。
今度は、あつもりでお願いしようかな。
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「たか松」日本橋茅場町店
中央区日本橋茅場町2-3-9 ハヤオビル1F [Map] 03-3662-0088
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